回線不調で見逃したシーン、教えてあげます。米通信会社のユニークなSNS施策

Case: What You Missed

アメリカの大手通信会社・Verisonが2018年に実施したプロモーションキャンペーンをご紹介。

スポーツをライブストリーミングで観戦中、回線の不調で大事なシーンを見逃したファンに向けて（回線の安定していたVerisonでは見れた）その内容を「代わりに教えてあげる」という“サービス”を実施したのです。

もはやすっかりメジャーな存在となった、スポーツのライブストリーミング中継。

アメリカ国内では1試合あたり30万人以上もの人々がライブストリーミングを経由してスポーツ観戦を楽しんでいます。

スマートフォンを使えば場所や時間を気にせず、どこでも白熱した試合を楽しむことが可能に。

と、思いきや。いいところで画面が読み込み中に！ 不安定な回線あるあるですね。

「うおおおお いいとこなのに画面がずっと読み込み中だ！！！！」

しかしVerisonはこうしたトラブルとは無縁の存在。同業他社のキャリアと比較しても、抜群に安定した通信を提供しています。

そんな長所を生かし、同社が行ったのが「WHAT YOU MISSED（あなたが見逃したもの、教えます）」というサービス。

まず同社は、試合中にTwitter上で頻繁につぶやかれているキーワードを抽出しました。

たとえばチーム名や試合展開に関するもの、

「（画面が）固まった」「読み込み中」など、ストリーミング再生が見れない状況を指すもの、

そして同業他社キャリアの社名を設定。

試合中、これらのキーワードで検索をかけ、不安定な回線のために大事なシーンを見逃したファンに狙い撃ちでリプライを送ったのです。

「そのシーン、Verisonだと見れたから教えますね！」

「おーい！ AT&T！ いますっげぇいい展開なのにいつまで経っても固まったまんまだぞ！」

「ハーイ！ あなたが回線不調で見れなかった時間、こんな試合展開がありました。Verisonはベストな回線環境を提供します！」

そして、このキャンペーンにはバスケット界のレジェンド、Kareem Abdul-Jabbar氏も「参戦」。
「Verisonが教えてくれたぜ、いまの試合はこんな感じだ。」

これに対してTwitter上では「うおー神だ！！」などと称賛の声が相次ぎ、Verisonは「回線落ちを気にせず試合を見れるキャリア」として評価を上げたのでした。

「一瞬」が勝負なスポーツ観戦において、回線の安定性はまさに生死を分ける問題。ただ単に自社の優位性を宣伝するのではなく、実際に快適な回線環境での視聴を疑似体験してもらうことでより高品質なキャリアへの乗り換え欲求を刺激するという、秀逸な発想のプロモーションキャンペーンでした。

(via Activation Ideas)