“シップの香り”を香水に タカミツ×金熊香水「SHIPオードパルファム」誕生

株式会社タカミツは2025年10月22日(水)、調香ブランド・金熊香水と共同で「SHIPオードパルファム」を展開しました。起点は公式Xでの意識調査です。「シップ薬の『香り』は好きですか?」という問いに対し、総投票779票のうち68.9%が肯定。懐かしさや安心感を示すコメントが集まったことをきっかけに、同社は医薬の匂いを“嫌われがちな要素”ではなく“求められる体験”として扱う方針に舵を切りました。

生活者の声で“医薬の香り”を再設計

タカミツはアンケート結果をもとに、清涼感をもたらすメントールやユーカリを軸にした香水を開発。「不思議と落ち着く」「ツーンとする独特の匂いなのについ嗅いでしまう」といった感覚価値に焦点を当て、医薬の香りを日常のリフレッシュ体験へと転換しています。

香水は「REAL SHIP」「SHIP GARDEN」「SHIP FOREST」の3種。メントールの爽快さ、フローラルのやわらかさ、ヒノキの静けさと、それぞれ異なる表情を持たせています。SNSでは「あの香りが落ち着く」「懐かしさを感じる」と好評を得ています。


REAL SHIP

ギフト施策に見るD2Cの実践設計

10月22日(水)から12月23日(火)まで、公式ECでの購入者にはギフトボックスとメッセージカードを同梱する特典を用意。自分用にとどまらず、誰かに贈る“話題の香り”として広がる導線であり、医薬の香りをあえてプレゼント化する発想は驚きとユーモアを生み、SNSでの拡散を促します。

本施策はD2C販売モデルの基本を忠実に踏まえていることがうかがえます。小さな問いで関心を測り、反応データをもとに価値仮説を構築し、少量展開でギフト需要を検証。さらに口コミを拾い上げ再発信することで生活者の参加を促し、自然な購買循環を生み出しています。


SHIP GARDEN

医薬発の香りが示すブランド変革

タカミツは外用薬で培った信頼と品質をもとに、香りを“効能”から“気分を整える体験”へと再定義しました。医薬らしい清潔感や安心感を残しつつ、日常で使える香水として展開することで、専門性と親しみやすさを両立しています。

「SHIPオードパルファム」は、調査から商品化、ギフト展開まで一貫した設計で、医薬と香水という異分野を結びつけました。湿布の香りという誰もが知る記憶を、心を整える新しい体験価値へと変換したこの取り組みは、ブランドの方向転換を静かに印象づけるマーケティング事例となっています。

その他のマーケティング事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=26
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る