殺陣とゴミ拾いを掛け合わせ!? エンタメとして海外進出果たした「ゴミ拾い侍」とは
本格的な殺陣(チャンバラ)とゴミ拾いを掛け合わせ、ゴミ拾い文化を世界中に広めることを目指している、エンターテイメントゴミ拾い集団「ゴミ拾い侍」が初の海外イベントに参加しました。
ゴミ拾い侍とは、侍に見立てたコスチュームを身にまとい、トングやほうきなどを使った殺陣とゴミ拾いによるパフォーマンスを行うエンターテイメントゴミ拾い集団です。参加者も一緒にゴミ拾いをリアルタイムで楽しめるTikTokのライブ配信が人気を集め、国内外のフォロワー数は80万人以上にのぼります。
そんなゴミ拾い侍が、デンマークのフェスdigへの参加に至ったのには、先方からの熱烈なオファーがあったといいます。2年ほど前にゴミ拾い侍の動画を見たdigの運営の方から「こういったフェスを運営していて、ぜひ参加してほしいので準備が整ったら改めて連絡する」という旨の連絡があったそうです。
そして昨年、ついに「準備が整ったので来年参加してほしい」との連絡があり、何度かの打ち合わせを経て、今回の参加が決定しました。
digはSDGsの各番号に沿ったパフォーマーを各地から招待し、デンマーク全土を舞台にストリートパフォーマンスを披露する、毎年開催されている大道芸フェスティバルです。実はこれまでdigにアジア圏からのパフォーマーが参加したことはなく、今回ゴミ拾い侍が初のアジア圏からの参加となるそうです。
8月16日(金)から9月2日(月)に開催されるフェスにあわせた8月13日(火)から9月3日(火)の3週間デンマークへ。SDGsを絡めたジャグリングやダンスを披露する参加者たちの中、日本の殺陣とゴミ拾いを絡めたゴミ拾いパフォーマンスを披露しました。
パフォーマンスの内容としては日本での活動と同じでしたが、そこでゴミ拾い侍が最初に感じたのは文化の違いがあったといいます。じつはデンマークを含めた海外の多くは、街中のゴミを拾うという行為自体が根付いておらず、ゴミ拾いをしているということを理解していなさそうな観客がほとんど。
海外は日本のように、小学生の頃から掃除の時間があるなど、街中でゴミをポイ捨てしてはいけないという文化がない国が多く、さらに業者が掃除するのが一般的なため、自分で共用スペースを掃除する文化がないのだそうです。
そこで、日本の文化を広めることを意識しつつ、何をしているのかをわかりやすく教えながらパフォーマンスをしたところ、子どもが一緒に拾ってくれたり、親が子どもに「捨てておいで」と促してくれたりするようになり、言語の壁を越えて一緒にゴミ拾いをすることができました。
SGDsをテーマにしたデンマークのフェスに招待され、活動範囲を日本国内から世界へ広げつつあるゴミ拾い侍。日本の文化である殺陣とゴミ拾いをパフォーマンスとしてブラッシュアップし、エンターテイメントコンテンツとしている斬新な目の付け所の妙味を感じます。
現在ゴミ拾い侍は、主なメンバー4人+ロサンゼルスに2人+北海道に1人の総勢7人で活動。日本へ帰国してからは変わらずライブ配信やゴミ拾いパフォーマンスを精力的に行いつつ、企業からのプロモーション動画の依頼も前向きに引き受けているとのこと。
さらに、ゴミ拾い侍の活動に共感し、応援する「ゴミZEROサポーター」の会員も着々と増え、日本国内での活動も広がっています。ゴミ拾いという社会の役に立つ活動を殺陣と組み合わせてエンタメ性のあるパフォーマンスにすることで、企業や自治体とのコラボなども見込めるブランディングが成立しているという点でもめずらしい事例です。
また、TikTokといったSNSとの親和性の高さなども注目したいポイント。国内、海外ともに今後の活躍が気になる取り組みがありました。
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