フードロス削減を目指す企業の取り組み10選
日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「フードロス」が年間472万トンも発生しているといわれています。(※1)。 これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料支援量(2022年は年間480万トン)とほぼ同等となっています。
そんなフードロスを削減すべく、さまざまな企業や団体による工夫を凝らした取り組みも目立つようになりました。今回は、そんな事例の数々から10事例をまとめてお届けします。
・※1参照元:食品ロスについて知る・学ぶ(消費者庁)
1.フィットネス事業の集客に一石を投じる“野菜がもらえるスポーツジム”が誕生
株式会社やさしいジムは、2024年7月6日(土)に毎日「新鮮野菜」がもらえるスポーツジムをオープンしました。
「やさしいジム」は「お母さんにいつまでも元気で笑顔でいてほしい」という思いから生まれた女性専用のジム。日常的に運動習慣がない30代以上のお母さんが気軽に通えることをコンセプトにしています。
会員になると、1日30分の運動後に東京都中央卸売市場から直接仕入れた新鮮な野菜や果物を専用の袋いっぱいに詰めて、毎日持ち帰ることができます。運動習慣を身につけるとともにフードロスも削減する取り組みです。
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2.スーパーが漁船をチャーター!売り場直行で新鮮な魚が並ぶ「一船買い」キャンペーン
長野県を中心にスーパーマーケットを展開する綿半パートナーズ株式会社が、2024年7月26日(金)に漁船を「一船買い」し、一日限りのイベントを2店舗で開催すると発表しました。
漁船は早朝3時に出港し、漁を終えて7時に帰港。その後漁港を出発し、午前11時頃にはお店に到着するスケジュールが組まれています。獲れたての新鮮な食材は調理などが加えられ、刺身や寿司、海鮮丼としてダイレクトにスーパーの店頭に並び、顧客に届けられる大胆なフードロス企画です。
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3.廃棄食品の“悲しみ”が生んだ巨大怪獣「フードロスラ」が大暴走!味の素の新作WEB動画
味の素は、家庭における廃棄食品の“悲しみ”が生んだ巨大怪獣「フードロスラ」が登場するWEB動画や特設サイトを2024年3月14日(木)より公開しました。WEB動画の監督は、『ゴジラ-1.0』で、日本映画として初のアカデミー賞視覚効果賞を受賞した山崎貴氏が務めました。
年間約244万トン(※2)と推計されている、家庭におけるフードロス。この現状を伝え、各家庭でのアクションを促すべく、今回の取り組みが始まりました。WEB動画「フードロスラ どうする!?人類篇」は、家庭から出た無駄な食材が集まってできた怪獣「フードロスラ」が、街や人々に襲い掛かるというストーリーになっています。
・※2※出典元:環境省 報道発表資料 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和3年度)の公表について(環境省)
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4.人気のお弁当が恵方巻きに!ほっともっとの予約でキャッシュバックキャンペーン
株式会社プレナスにより、2023年12月末現在2,441店舗を展開中の持ち帰り弁当の「Hotto Motto (ほっともっと)」。「ほっともっと」では、大人気の弁当メニューを恵方巻にした「ほっともっと」の恵方巻を、2024年2月1日(木)から4日(日)に販売。それにあわせて、恵方巻きを店頭や専用予約サイトから予約すると特別価格となるお得なキャンペーンを実施しました。
今年は東北東が恵方となっており、人気の弁当メニューを恵方巻にした「ほっともっと」の恵方巻は全部で3種類。「のり弁当」のいつもの美味しさをそのまま巻いた「のり弁巻」450円、から揚・だし巻玉子・桜でんぶなどを巻いた食べ応え抜群の「から揚巻」550円、甘酸っぱいチキン南蛮と具だくさんのタルタルソースがたまらない「チキン南蛮巻」550円の3種が登場しました。
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5.災害救援インフラとしての機能強化!? フードロス削減ボックス「fuubo」の展開強化
フードロス削減ボックス「fuubo(フーボ)」を展開するZERO株式会社は、fuubo内に災害備蓄品をストックし、「災害救援販売機」としてのインフラ機能の拡充を本年より一層強化していくことを発表しました。
ZEROは昨年、fuuboを駅や企業をはじめ、大学や病院、宿泊施設などに累計69台設置し、フードロス商品の提供を幅広い方法で行ってきました。
また、TVや新聞、雑誌にも数多く取り上げられたことで、認知の機会が増えた年になりました。その流れを受け2024年も、より「身近で・便利で・不可欠な」存在となっていけるよう、活用手段や機能を多様化していく必要性があると考え、その一つの機能が「災害救援」としています。
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6.梅で埋め尽くされた銭湯?!話題作りはサステナブルならぬ「サステナブロ」で
愛知県小牧市の天然温泉「こまき楽の湯」とJA尾張中央がタッグを組み、2024年5月28日(火)から6月7日(金)まで「サステナブロ」プロジェクトを開催しました。
「梅で埋め尽くします」と掲げて開催された同イベントは、食品ロスになりそうな地元の梅を活用し、銭湯を「すっぱい銭湯」に変身させるというもの。THE GLOBAL GOALS(持続可能な開発目標=SDGs)の「住み続けられるまちづくりを」と「つくる責任つかう責任」に当てはまるサステナブルなプロジェクトに「風呂」をかけて、持続可能な銭湯「サステナ“ブロ”」というキャッチーなワードで話題作りをしました。
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7.作りすぎた食品、余った食材引き受けます!? フードロス対策にもなる新たな取り組み開始
焼肉・寿司・スイーツ食べ放題レストランチェーンの「すたみな太郎」は、持続可能な社会に向けた取り組みの一環として、新たな取り組み「すたみな太郎にオマカセ!」を開始しました。
これは、より手頃な価格で食べ放題を楽しんでもらえるように、商品ラインナップの充実を図るために考案されたもの。また、作り過ぎなどで販路に困っている食材や、シーズンが終了して余ってしまっているような食材や食品などを広く募り、店舗で提供することでフードロス問題にも貢献できます。
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8.「フー」と「ドロス」がフードロス削減を訴える キャッチ-な絵本風アニメーションムービー
ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」は、オリジナルキャラクターが絵本をイメージしたアニメーションで送るブランドムービーを2023年に公開しました。
クラダシが掲げる「楽しいお買い物で、みんなトクするソーシャルグッドマーケットを創る。」というブランドパーパス(存在意義)のもと、たのしく・やさしく・おやすく、フードロス削減の環を広げていくことを目指して制作された今回のオリジナルブランドムービー。
「Kuradashi」オリジナルキャラクターである「フー」と「ドロス」が、アニメーションで軽快に動く様子とともにポップな音楽とナレーション効果も相まって、フードロス削減のためにも「Kuradashi」でお買い物しようという気持ちにさせられる、とてもキャッチ-な映像に仕上がっています。
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9.スーパーの野菜売り場に謎の顔!「生産者の顔が見えすぎる野菜」とは
味の素は、レタス農家やKADOKAWAとの協力のもと、フードロス削減に向けて「#レタス瞬間消滅運動」第2弾をレタスの出荷量が全国的に増えるシーズンに合わせた2023年10月19日(木)より実施しました。
味の素では6月、Cook Do®︎のオイスターソースを使い、レタスを美味しく大量消費できるレシピ「瞬間消滅レタス」を考案。藤原竜也さんが出演するCMや、信濃毎日新聞での「レタス保存用新聞」でも展開しました。
今回の第2弾では、レタスの国内主要生産地である群馬県、茨城県の農家とコラボ。広告「レタス保存用新聞2」を上毛新聞、茨城新聞に掲載。さらに、この保存用新聞を使って包んだレタスを、「生産者の顔が見えすぎる野菜」として2県のレタス直売所で販売しました。
また、WEBメディア「レタスクラブ」とのコラボレーションのもと、レタス農家おすすめのレシピなどを紹介する特設サイト「瞬間消滅レタスクラブ」も公開。全国の消費者へ、レタスの美味しい食べ方を発信しています。
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10.「食品ロスあるある」を福原遥さんが歌う!旭化成ホームプロダクツのWEBムービー
サランラップ®️やジップロック®️を販売する旭化成ホームプロダクツでは、食材やおかずを冷凍してストックしておく「冷凍貯金」に関する情報を発信する「冷凍貯金ラボ」を立ち上げました。
それに伴い、2023年10月17日(火)に「冷凍貯金ラボ」アンバサダーの福原遥さんが出演するWEBムービー「『SHIMATTA』~みんなのフードロスやらかし体験歌~」を公開しました。
「冷凍貯金ラボ」は、各分野の専門家や企業などが参画し、各社の商品やサービスを活用して「ゆとり」をうむ情報を提供する「ゆとりうむプロジェクト」と旭化成ホームプロダクツが、共同で2022年5月に立ち上げました。食材を冷凍保存することで、時間やお金の節約などに役立つ情報を発信しています。
今回公開されたWEBムービーは、「冷凍貯金ラボ」が20~70代の男女479名に対して実施した「野菜を腐らせてしまった時の衝撃体験」についてのアンケート結果をもとに作成。誰もがやらかしがちな野菜の食品ロスは「冷凍貯金」で削減できるということを伝えるストーリーとなっています。
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フードロス削減取り組み10選まとめ
いかがだったでしょうか。フードロスといっても、その発生原因は時期や原因によってさまざま。そんなフードロス削除への取り組みとして、小さな積み重ねであっても改善できる余地を探して対処していくことが大切だと気づかせてくれる事例集となりました。
せっかくなら社会貢献の一端を担える企業のサービスや製品を積極的に選んでいきたいもの。そうした生活者のニーズを拾い上げてくれる多種多様な取り組みや施策が今後もますます増えていくことでしょう。賢い選択とは何か、選びとる側の理解度や判断能力も問われていくことになりそうです。
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