「宇宙味」に「大仏味」?! 茨城の魅力を伝えるご当地アイスクリームのアイデア

茨城県の乳業メーカーであるトモヱ乳業株式会社は、クラウドファンディングサイト「Makuake」にて、茨城県内44市町村をイメージにしたオリジナルのアイスクリームを販売しました。

トモヱ乳業は、茨城県古河市に本社・工場を構え、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を取り扱う企業。北関東トップクラスの飲料メーカーですが、製品の約7割がOEM(受託製造)のため、社名が消費者の目に直接触れることが少なく、認知度が低いことが課題でした。

また、本社のある茨城県は、2023年度都道府県魅力度ランキングで最下位という状況で、「牛乳をたくさん使う商品」×「茨城県の魅力」の掛け合わせで、乳製品の消費拡大と茨城県の魅力度アップを狙うアイデアが考案されました。

販売されるアイスクリームの味は6種類。笠間市の栗を100%使用した「栗味」や古河市の「ミルク味」、稲敷市の「いちじく味」など、地域特産の食材を使った味が並びますが、中には「大仏味」や「ネモフィラ味」といった変わった味も。味の想像がつかない珍しいラインナップが話題を集めています。

販売される味のひとつは、「IBK44アイスクリーム総選挙」と題した事前投票で決定しました。SNSを通して消費者から選ばれたのは、つくば市の「宇宙味」。筑波宇宙センターで有名なつくば市の特徴を、宇宙の冷たさ・静けさをイメージしたミントと、星の瞬きをイメージしたパチパチキャンディー入りのアイスクリームで表現しました。商品の開発段階から、投票という形で消費者を巻き込むことで、関心度を高めるよう工夫されています。

投票では惜しくも落選してしまいましたが、神栖市の「神味」、美浦村の「サラブレッド味」、日立市の「三本杉味」、下妻市の「サーキット味」など、他にも気になる味が勢揃い。目に止まった味から、その地域の観光スポットや魅力にも目を向けるきっかけになりそうです。

Makuakeのコメントには、「宇宙味?!と驚きの余り気づいたら購入していました」「大仏がたべれて光栄です」といった声や、「今回商品化されなかった味も、第二弾プロジェクトで食べてみたいです」といった声がみられ、アイスクリームの変わった味が消費者の心を掴んでいる様子が伺えます。

クラウドファンディングでも、受付終了まで19日間を残して、目標対比1,016%を達成。地域活性化を目的に、特産品を使ったご当地スイーツの開発はこれまでも多く見られた手法ですが、特産の”食材”にとらわれず、地域の特徴を深堀りし、変わった味のアイスクリームに落とし込むことで、他との差別化と消費者への魅力づけに成功しているアイデアです。

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