軽い“タップ”が更なる暴力の引き金に。Instagramのストーリー機能を使ったDV防止啓発施策
Case: Life of Farah
UAEの家庭内暴力被害者支援団体・Dubai Foundation for Women & Children(DFWAC)による、DV防止を呼び掛ける啓発キャンペーンをご紹介。
女性や子供に対するドメスティック・バイオレンスの多くは、“ささいな暴力”から始まります。男性側からしてみれば軽く叩いただけのつもりでも、被害者にとっては深刻な心と体の傷になりかねません。
このことを人々に広く伝えるため、DFWACはインスタグラムを活用した啓発キャンペーン『Life of Farah』を実施しました。
DFWACが開設したFarahという架空の女性のInstagramアカウント。プロフィール写真が分割して掲載されていますが、ここで“再生マーク”をしたユーザーアイコンをタップするよう促されます。
タップして表示された女性の写真(ストーリー)を指でタップすると、顔にあざが現われます。
もう1度、2度と繰り返すと、さらに痛々しい傷あとが増えていき、4回目のタップの後、「ほとんどの場合、DVはタップ(軽く叩くこと)から始まるのです」とメッセージが表示されます。
家庭内暴力の典型的な特徴として挙げられるのが、“それはエスカレートしていく”という点。はじめは怪我をする程ではなかったとしても、それが回を重ねるごとにどんどん酷くなり、本格的な暴力に移行していくのです。
“tap”という言葉の本来の意味『ぽんと軽く叩くこと』と、スマホの“タップする操作”を上手くリンクさせ、DVに対する認識を高めることを狙ったインタラクティブなデジタル施策。DFWACでは、@lifeof_farahのアカウントをシェアし、より多くの人に問題について考えてもらうよう呼びかけています。
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