自然との調和を目指して。インドNGOによる、環境に優しいガネーシャ像が話題に

Case: #GodSaveTheOcean

あらゆる障害を取り除き、また富をもたらすと言われていることから、ヒンドゥー教徒の間で絶大な信仰を集めるガネーシャ神。ヒンドゥー教徒の多いインドでは、8月末または9月の初め頃、ガネーシャ・フェスティバルと呼ばれる盛大なお祭りが11日間にわたり催されます。

お祭りの最終日には、厄除けや商売繁盛を祈願しながら神像を海や川へ流すそうで、太鼓の音が鳴り響く中、大小のガネーシャが次々と水に流される様子は圧巻なのだとか。

毎年大いに盛り上がりを見せるガネーシャ・フェスティバルですが、近年ではこのイベントが環境に与える悪影響が問題視されています。ほとんどの場合、ガネーシャ像はその製造段階で有害な化学物質が使用されており、これが海を汚染し、また魚たちに深刻な被害を及ぼしているというのです。

この問題を改善するためには、まず人々の意識改革が不可欠であると考えたインドの環境保護団体・Sprouts Environment Trustは、2015年の祭りに向けて特別な神像を開発しました。

見た目は通常のものと変わりませんが、原料には大豆やホウレン草、トウモロコシなどが使われており、水に流した後には魚の餌になるという優れもの。絵付けにも植物から抽出した顔料が使用され、徹底的に環境に配慮してあります。

この地球にやさしいガネーシャ像は、ソーシャルメディアを中心に注目を集め、瞬く間にシェアされた結果1,280万もの人にリーチ。さらに国内のセレブが自身のSNSで取り上げると、人々からの問い合わせが殺到し、あっという間に完売してしまったそうです。

ガネーシャ祭はインドで最も大規模なお祭りのひとつ。『環境に悪いから、やめてしまおう』という単純な図式ではなく、自然と調和し、共存する方法を模索するという姿勢が実を結んだ取り組みでした。


#GodSaveTheOcean from Farid Bawa on Vimeo.

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