紙幣を“見る”ことだけでなく、詐欺が横行する世間を“見る”ことを実現した「視覚障害者のための魔法の眼鏡」

Case: The Value of Seeing

中央アメリカに位置するグアマテラでは、視覚障害者自らが販売し、その収益は視覚障害者のケアや治療に使われるという「Santa Lucía」という宝くじがあります。残念ながらその購入者は善意ある人ばかりではなく、中には販売員の目が見えないことに付け込み、お金をだます人もいるといいます。今回は、後を絶たない“詐欺師”を追放するべく開発された、“視覚障害者が額面を読み取れる眼鏡”をご紹介します。

目が見えれば、紙幣をだまされることはありませんが、目が見えなければ、紙幣の額面を“読む”ことはできません。また、紙幣には点字を施すことができず、視覚障害者が紙幣の金額をだまされてしまうケースが後を絶たないといいます。

そこで、Santa Lucíaは、紙幣上の1万個の点を感知することにより紙幣の額面を読み取り、その額をイヤホンで伝えることができるという魔法の眼鏡、その名も“Magic Lens”を開発し、宝くじの販売員に着用を勧めました。

眼鏡を着用した販売員は、イヤホンを通して“紙幣の額”を教えてもらうことができるため、正確な金額を即座に確かめることができます。

また、この眼鏡は、“紙幣の額”を感知する以外は作動しないため、歩行中等その他の状態でも悪影響はなく常時安全に着用できるといいます。

販売員が紙幣を“見る”ことを実現した同施策は、詐欺まがいの問題が発生しているという事実を世の中全体が“見る”ことに繋がり、問題意識を高めることができたことが何よりの成果であるといいます。この取り組みは多くのメディアの関心を集め、100万ドルの広告効果を生むことに成功した他、インターネット上で1000万のインプレッションを獲得しました。

“紙幣の額”が見えるようになっただけでなく、新たな“機会”、“自身の力で立つ世界”、ひいては“見えることをの意義”をも見えるようになった取り組みでした。

動画はコチラ

参考サイト

Ads of the World
http://adsoftheworld.com/media/ambient/santa_lucia_lottery_the_value_of_seeing

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