UNHCR × 美術館の特別展示 「難民問題に目を向けて、難民の存在が見える人になろう」

Case: Invisible People

現在、世界には約3500万人の難民がいると言われており、そのうち約30万人が北朝鮮人であるとされています。北朝鮮難民の多くは、北朝鮮に連れ戻され、厳しい拷問を受けたのち殺害されていると言いますが、隣国であるにもかかわらず、韓国ではこの実情を知る人はあまりいません。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はソウル市立美樹館と協力して、“多くの韓国人の目には映っていない北朝鮮難民”に目を向けてもらおうと、“Invisible People”(目に見えない人)という特別展示を実施しました。

今回制作したのは、北朝鮮難民のミニチュアフィギュア。実際の難民を3Dスキャンし3D印刷技術を用いて制作しました。

それを、美術館に大々的に展示するのではなく、あえて普通に歩いていては見逃してしまうような場所にそっと配置しました。

配置場所は、階段脇や非常口サインの上等、注意して見ない限り中々気づかない場所ばかり全30か所です。

そして、美術館を堪能したであろう人に、『今日この美術館で、いったい何名の難民を見落としましたか?』とのメッセーを映し出し、これにより初めて“難民に係る特別展示”の存在に気付いた人も多かったといいます。

難民のミニチュアフィギュアに携帯電話をかざすと、実際モデルとなった難民が苛酷な日々を語る映像を見ることができ、難民の生の声を聴くことができます。

美術館へは展示開始から3週間で4万8千人を超える人が来館したといいます。多くの人が難民に対する励ましのメッセージをfacebookページに投稿し、メッセージは難民たちのもとへと届けられました。

反響は国外へも広がり、約350万人の難民問題に関する意識を高めることに成功したといいます。難民問題に関心を向けることで、“目に見えなかった難民”を“目に見える難民”に変えた取り組みでした。

動画はコチラ

参考サイト

Creative Criminals
http://creativecriminals.com/unhcr/invisible-people

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