反響率50%の新聞広告!? トップ経営者に的を絞ったベルギー慈善団体による募金活動
Case: 99%
子供の人権を守るために活動する独立系のNGO「SOS Children Village」は、様々な理由から家庭的な生活を送ることができない恵まれない子供たちに、まっとうな生活を送ってもらうために、ボランティアの母親たちによる支援を行っています。
通常、約10人の子供たちが同団体の母親1名と共に一つの住宅で暮らし、7軒から15軒の住宅で「村」が構成されています。
Chanteventはベルギー国内最大の「村」で、多くの子供たちが暮らしていますが、施設が老朽化し修繕改築の必要が迫られています。
今回、莫大にかかる修繕費用を募るために不特定多数の個人を対象とした募金活動ではく、ベルギーの産業界を牽引する6名の経営者に的を絞った募金活動を展開しました。
ターゲットとなったのは、主要ケーブル会社のTelenet、大手建設会社のBam、製薬メーカーのOmega Pharma、エネルギー会社のElectrabel、スーパーマーケットチェーンのColruytとDelhaizeの経営者たち。
直接電話を掛けたり、手紙を書いたり、メールを送ったところで経営者に取り次いでもらえる確率は極めてゼロに近いはず。そう考えた同団体は、経営者なら必ず目を通すであろうベルギーの金融紙・De TijaとL’echoにたった1度だけ、たった6名をターゲットとした広告を載せることにしました。
掲載した広告が必ずターゲットの目に留まるように、“You are the 99%”と題して、6名の経営者の名前をともに記載しました。
“You are the 99%”は、2011年より米国ニューヨークのウォール街で発生したアメリカの経済界、政界に対する抗議運動のスローガンで、上位1%の富裕層が増加し続けていることを批判した“We are the 99%”をもじったものです。
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作成した手書きの広告では、『“You are the 99%”、あなたはまだ99%です。これまで様々な偉業を成し遂げ社会に貢献してきましたが、あと1%足りません。最後の1%、それは恵まれない子供たちに手を差し伸べることです。担当者までぜひお電話下さい!』と切実に訴えています。
結果、6人の経営者のうち3名から連絡を受けることに成功しました。そのうちの一人Electrabel社のCEOは、なんと3年間30万ユーロ(約4千200万円)の援助を約束してくれたといいます。
まさにインサイトをついた企画。素晴らしいアイディアと実行力ですね。
動画はコチラ
参考サイト
I Believe in Advertising
http://www.ibelieveinadv.com/2013/12/sos-childrens-village-99/
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