ラグジュアリー業界に潜む「見えない差別」を可視化|ロレアルのCSR事例
ラグジュアリーブランドの店舗は、誰もが平等に楽しめる場所のはず――。しかしロレアルの調査が示したのは、ブラジルでは黒人生活者が思いがけない形で疎外感を感じてきたという現実でした。
調査によると、約91%の黒人生活者がラグジュアリー店舗で何らかの差別的経験をしていると回答。また、54%が「その店舗には二度と行かない」と答えています。
ブラジルでは黒人が上位所得層の37%を占めるにもかかわらず、こうした体験が続いているという現実は、業界にとって無視できない課題です。
こうした状況を受け、ロレアルのラグジュアリー部門が業界として初めてとも言える明確なアクションを起こしました。黒人生活者が店舗で尊重され、安全に買い物できる環境を整えるための行動指針の策定です。
特徴的なのは、問題の多くが「気づかれにくい慣習」として起きていた点に着目したこと。悪意のある言動だけでなく、無意識の対応や習慣的な扱いの差が排除につながり得ると指摘し、「何が不適切な行動か」を具体的に言語化しました。
スタッフへの人種理解トレーニングや、公平な接客のための具体的なルールなど、現場で実行可能な内容に落とし込まれている点も評価されています。曖昧だった”空気”や”慣習”を、誰もが共有できる基準へと変えた取り組みといえるでしょう。
発表後は多くの店舗が賛同し、黒人向けの商品展開や売上向上につながった事例も報告されています。差別的な接客が減少するなど、店舗体験そのものにも変化が生まれました。
多様性を掲げる企業は増えても、それを現場の行動基準にまで落とし込めているケースは多くありません。ロレアルの事例は、見えにくい排除に正面から向き合い、業界全体に問いを投げかけた点で大きな意味を持ちます。
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