在庫課題からヒット食材へ――スキムミルクに起きている静かな変化
スキムミルクがいま、静かに存在感を高めています。かつては脱脂粉乳の在庫増加が問題となり、酪農現場が抱える課題を象徴する食材ともいわれてきました。しかし近年、健康志向の高まりや企業の新しい活用提案、さらには健康管理アプリでの人気上昇などを背景に、スキムミルクの価値が再評価されつつあります。
その中心的な動きとなっているのが、ホクレン農業協同組合連合会とABCスタイルによる需要拡大の取り組みです。両者は北海道産牛乳・乳製品の消費をうながす「ミルクランド北海道」プロジェクトとして、スキムミルクを“便利でおいしい健康食材”として再定義するプロジェクトを展開。

ABCスタイルが運営する全国の「ABCクッキングスタジオ」で、スキムミルクを使った特別レッスンを開催し、参加者が実際にスイーツづくりを通して魅力を体感できる機会を提供しています。
また、同社が運営するInstagramアカウント「おうちごはん」では、利用者参加型の投稿キャンペーンを実施。自然発生的なレシピ投稿をうながし、日常的な活用を広げています。さらに、プロの料理家らが監修したオリジナルレシピブックを制作し、家庭で使いやすい活用方法を多面的に発信しています。

こうした取り組みと呼応するように、生活者側の行動データにも変化が見られます。AI食事管理アプリ「あすけん」が発表した「トレンド予測2026」では、「手軽にプラスできる注目食材」としてスキムミルクが選出されました。
利用者の食事記録をもとにした分析では、スキムミルクに関する記録率が上昇し、健康意識の高いユーザーの支持が広がりつつあることが示されました。栄養価の高さや常温保存できる利便性などがあらためて評価され、需要が生活者の側からも伸びている点は注目すべきポイントです。
さらに、スキムミルクは市販される食料品としても、広がりを見せています。京都の老舗和菓子店・亀屋良長が2026年のバレンタイン商戦に向けて発売した「chocolat 笑(ショコラショー)」は、竹をかたどった白い干菓子にスキムミルクを使用。ミルキーな味わいを演出しています。この製品は、犬型のココア干菓子と組み合わせ、お湯を注ぐとホットココア(ショコラショー)になるユニークな商品です。

こうしたスキムミルクをめぐる一連の動きから、在庫課題というネガティブな起点を超え、企業・生活者・クリエイターらが新しい可能性を見出そうと再評価が進んでいることが見えてきます。楽しさやおいしさ、手軽さへと転換するプロモーションが行われる食材として、PRパーソンの注目を集めるかもしれません。
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