大阪3駅をクーポンピールオフ広告でジャック 矢場とんの2025年PR戦略に注目
名古屋名物みそかつで知られる「矢場とん」は、2025年12月15日(月)から21日(日)の7日間、Osaka Metro梅田・心斎橋・なんばの3駅にて“クーポン付きピールオフ広告”を展開します。
\大阪の矢場とんで待ってるで〜!/
ぶーちゃんブロマイドクーポン!
キミは手に入れたか!🐷✨大阪の名所を巡るぶーちゃんの可愛い絵柄は、なんと…20種類!
しかも、中には超レアカードも!御堂筋線 梅田駅・なんば駅・心斎橋駅にある広告から剥がしてゲットしてね! pic.twitter.com/EAfoZE7Kiw
— 矢場とん【公式】 (@YabatonO) December 16, 2025
このOOH「ぶーちゃん大阪出張中」は、公式キャラクター「ぶーちゃん」のブロマイドがノベルティーとなりました。大阪の観光名所20カ所以上で撮影したという愛らしいビジュアルを用いたものですが、近隣店舗でのみ使えるクーポンカードとして利用できます。


ただし、そのクーポンに付与された特典は来店するまで明らかになっていないそうです。掲出場所にほど近い大阪4店舗(阪急三番街/大丸心斎橋/松竹座/あべのハルカス)で利用できるといい、ピールオフで入手できなかった人びとに向けては「Xでクーポンのおかわりあるで!」でオンラインプロモーションへの動線を用意しました。


大阪に複数の店舗を展開しているにもかかわらず、「名古屋めし」というイメージが依然として強く、認知が十分ではないという調査結果を背景に企画されたというこの事例。2025年に矢場とんが大阪エリアで実施してきたコミュニケーション活動の一部として、深い意図を示すものです。
1年間を通して積み上げてきた“認知課題改善プロジェクト”の最終段階だとしてとらえると、矢場とんは2025年、大阪でのブランド認知向上を目的として「気づかせる」「体験してもらう」「来店につなげる」という3つの段階を設けたPRを進めてきたことが明らかです。

その第1段階は、2025年4月に展開した巨大OOHによる“お詫びプロジェクト”。JR大阪駅桜橋アベニューとOsaka Metro梅田アドストリートにて、「大阪にも矢場とんあるんやで……」とぶーちゃんが“謝る”クリエイティブを掲出しました。「大阪にも店舗がある」という事実そのものが広く可視化されました。
第2段階としては、大阪・関西万博「宴〜UTAGE〜」パビリオンへの出展(2025年4月13日(日)~5月12日(月))です。ここでは、限定パッケージの「ひれかつサンド」や、この出展で初登場した「みそかつライスバーガー」などが人気を博したといい、関西店舗の認知不足の背景に“体験機会の不足”があるというインサイトを実証したことでしょう。
そして第3段階が、今回のピールオフ広告です。近隣店舗の動線にあたる駅で、ノベルティーとして来店をうながすクーポンを配布したことで、年間を通じて積み上げてきた認知改善の成果を、店舗への送客へとつなぐ“ラストアクション”の役割を果たします。

2025年の矢場とんは、ブランド認知の課題を広告出稿のボリュームで押すのではなく、課題と向き合い、段階的に解消するPR設計を実行してきました。今回のピールオフ広告は、その集大成として“知ってもらい、食べてもらい、来てもらう”までの流れを一貫して設計した、戦略的なOOH施策です。
その他の広告事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=24
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/
記事をブックマークする
記事をブックマーク済み
0