まるでラーメン屋さん? ロート製薬・Vロートゴールド40のWeb CM

TVerやYouTubeなどでオンエアされているロート製薬の目薬、「Vロートゴールド40」のWeb CMがユニークです。そのCMは、まるでラーメン屋のような世界観で展開される「こってり、たっぷり」篇。店主風の男性が登場して「こってり!!たっぷり!!ありがとうございまーす!!!」と豪快に語る姿は、医薬品のCMとは思えないインパクトを与えます。

この“こってり”という表現は、製品の特徴だという「全ての有効成分が最大濃度配合」「最大容量(たっぷり20ml)」を、ラーメンの“こってり感”になぞらえたもの。医薬品の効能をあえて食べ物の比喩で伝えます。

このCMは、株式会社電通とギークピクチュアズが手がけた作品。企画・制作を担当した福田晴久さん(電通・クリエイティブディレクター)によると、そのコンセプトは「なんとなく目薬を買っている人」に向けて、より関心を持ってもらうことが狙いだったといいます。

また、「ターゲットを考えると、What to sayを極力シンプルにすべきと考えました」と語ります。詳細な効能説明ではなく、“こってり・たっぷり”というキャッチーな言葉に絞り、ラーメン屋という一見関係なさそうな世界観と組み合わせることで、Web CMならではのインパクトを狙ったとPR EDGEの取材に応えています。

音楽をあえて使わずに、セリフとカットだけで15秒を駆け抜けるこのCM。テンポの良さと分かりやすさを重視し、スキップされがちなWeb広告のなかでも、思わず最後まで見てしまうような工夫を随所に施したそうです。

医薬品として、真面目に商品を紹介するものとは一線を画すこのCMですが、そこには「伝えるべきことを、いかに印象的に届けるか」という広告クリエイティブの本質が現れています。また、目薬で“こってり”を表現するというコンセプトは、広告主であるロート製薬にとってある種の挑戦だったことは間違いありません。

その商品に興味・関心の高い層ではなく、「なんとなく」すなわち、無意識に購入している層を対象として、自社製品が選ばれるための広告コミュニケーションであり、購買機会が訪れた時に選ばれるために「柔軟さと遊び心」を全力で発揮させた事例です。

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