歴史の証人の腕に刻まれた記憶を使った啓蒙事例
歴史を中心としたドキュメンタリー番組を多く手がけるアメリカのテレビチャンネル・The History Channel(以下HC)は、さまざまなインタビューや独自調査を通じて知られざる歴史の側面にスポットライトを当てる数少ない専門チャンネルです。
そんなHCの目的は、歴史を多面的に知ることで多くの視点で物事を考え、捉える力を啓蒙すること。アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所(以下アウシュヴィッツ)の解放からちょうど80年経つ2025年1月のタイミングに合わせて、人類史上最悪クラスの虐殺が行われてしまった実情を改めて浮き彫りにしつつ、近年ヨーロッパを中心に高まりつつあるファシズムの台頭に警鐘を鳴らした施策が公開されました。
施策は、アウシュヴィッツに収容されていた人々の身体の一部にタトゥーとして入れられていた番号をモチーフに、ヨーロッパで高まりつつあるファシズム信仰を象徴した数字にスポットライトを当てるというもの。
「戻ってきて、ヒトラー」というSNSコメントに1856いいねが付いたり、過去半年間で162ものネオナチス団体の行進が執り行われていたり、2024年にドイツ国内で3万3963件のヘイトクライムが検挙されていたり……20世紀を象徴する虐殺とも呼ばれるホロコーストから人類は果たして何を学んだのか、本当に人類は平和に向けて前進できているのか。そんな素朴ながらも強烈な問いを投げかけているのです。
歴史という大きなテーマを背負ったチャンネルとして人類にとって大切なメッセージを発信し続けたい……そう願うHCの想いがしっかりと感じ取れる施策でした。
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