小学生のアイデアが実現!蓄光アートで夜の通学路に安心と楽しさを提供
「暗くて怖い道を、明るくて楽しい空間にしたい」。そんな小学生のひと言が地域と企業、行政を巻き込み、実際の形になりました。
2025年3月17日(月)、東京都府中市立小柳小学校で「暗闇アートギャラリー」が完成。全国の卒業式シーズンの中で実施された本取り組みは府中市制施行70周年を記念した公式事業の一環として、子どもたちの“未来をつくるアイデア”を実現することを目的に行われたものです。
児童が描いたキャラクターやデザインをもとに制作された蓄光アートパネルは、学校の外周に20枚設置。昼間はカラフルなアート作品として地域の目を楽しませ、夜間には太陽光を蓄えた優しい光が通学路をほんのり照らします。
「怖い」を「楽しい」に変える子どもたちのまなざし
府中市では市制70周年を機に、市内の小学生から「未来をつくるアイデア」を募集しました。その中で採用されたのが、小柳小学校の児童による「暗くて怖い道を、明るくて楽しい空間にしたい」という提案です。
この声に応えるかたちで小柳小学校、府中市政策課、協働共創推進課、テルウェル東日本株式会社、株式会社日交、株式会社humorousが連携し、プロジェクトが始動。
小柳小の児童が描いたマスコットキャラクター「こやぎくん」などを用いたアートパネルは、見る人の心を和ませるだけでなく、夜になるとやさしい光を放ち、児童や地域住民が安心して通行できる空間を実現しています。
高輝度蓄光技術「ナイトコンシェルジュ®」が生んだ新しい空間
このアートギャラリーを支える技術が、株式会社humorousによる高輝度蓄光テクノロジー「ナイトコンシェルジュ®」。昼間に太陽光や照明の光を蓄えて夜間に電力を使わずに発光するこの素材は、環境負荷がゼロでありながら安全性と演出性を同時に実現します。
2022年には国土交通省のモデル事業として社会実験が行われ、約9割の利用者が継続的な設置を希望したという実績も。本技術は従来、防災や避難誘導の用途で活用されてきましたが、今回のようにアートと結びつくことで、より創造的な空間づくりへと進化しました。
従来の夜間対策では照明設備を設置するという手段が一般的でしたが、それには電気工事や維持管理費、光害といった課題がついてまわります。「ナイトコンシェルジュ®」は、そうした課題をすべて解決しながら、地域の文化や子どもたちの創造性を取り入れられる柔軟性を持っているのが魅力のひとつです。
CSRの理想形ともいえる「共創型」の取り組み
本プロジェクトは企業による一方的な支援ではなく、行政、学校、地域、そして企業が役割を分かち合い、共に作り上げたという点において、まさに共創型CSRの理想的な形を示しているといえます。
子どもたちの声を出発点に地域に根ざした課題と企業の技術力が出会い、具体的な成果として結実したことは、単なるCSR事例にとどまらない社会的価値を持つでしょう。
さらに本取り組みは、地域のコミュニティづくりにもつながっていることが伺えます。アートパネルに込められた児童の思いは、地域の大人たちにとっても“自分たちの場所”を再認識するきっかけとなり、地域の誇りや結びつきを育む象徴的な存在となるはずです。
子どもたちの視点が地域の未来を照らす
「暗い道が怖い」という小学生の率直な気持ちは、企業の技術と行政の支援、そして地域の協力によって「安心で楽しい道」へと生まれ変わりました。そこには安全対策の域を超えた、創造と参加によって成り立つ新しいまちづくりの姿があります。
本プロジェクトは子どもの目線を起点にテクノロジーとデザイン、そして地域とのつながりを掛け合わせた先進的なCSRの好例。こうした取り組みが各地に広がっていくことで、社会はより豊かで持続可能なものへと変わっていくのかもしれません。
その他のCSR事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=28
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

0