話題の人物やトピックを壁画で表現。アートスポット「トーキョーミューラルスクエア」誕生
都市におけるアートの役割が変化する中、東京・青山の外苑前交差点に誕生した「トーキョーミューラルスクエア(TOKYO Mural Square)」は、広告やブランディングの新たな可能性を提示するプロジェクトとして注目を集めています。
株式会社OVER ALLsが手がける本施策は、企業の壁面を単なる装飾ではなく情報発信の場として活用することで、アートと社会を結びつける試みです。
キョーミューラルスクエアとは
「トーキョーミューラルスクエア」は、OVER ALLsの本社外壁に設置されたミューラル(壁画)専用の壁面を活用し、毎月話題の人物やトピックをテーマにした壁画を描き続けるプロジェクト。青山通りに面した外苑前交差点の中心という好立地を活かし、都市のランドマークとしての役割も担っています。
本取り組みの特徴は、ただのアート展示ではなく「報道としてのアート」という新たな概念を確立し、社会や時事問題に対してメッセージを発信すること。ニューヨークのタイムズスクエアのように壁面をメディアとして活用し、人々に新たな視点を提供することを目指しています。
これまでに制作された壁画には、大谷翔平選手、トランプ大統領(次期大統領)、旧一万円札の福沢諭吉、漫画家の鳥山明氏、俳優の浅野忠信氏、イチロー氏など、時代を象徴する人物が登場。2024年12月には辰年の終わりに「ドラゴンボール」をモチーフとした壁画を制作し、鳥山明氏への敬意と哀悼の意を示しました。
これらの作品は都市空間の一部として社会に溶け込みながら、アートが持つ力を最大限に引き出していることが伺えます。
「壁面がメディア」となる新たな広告手法
「トーキョーミューラルスクエア」の取り組みは従来のOOH広告とは異なり、壁面そのものを広告媒体に変えるという革新的な手法。これにより広告に対する受動的な視認ではなく能動的に人々の関心を引き、ブランドメッセージをより深く浸透させることができそうです。
通常の広告は一方的な情報伝達を目的としますが、ミューラルは都市の景観の一部として溶け込みながら視覚的なインパクトを与えてくれるはず。アートとしての価値を持つことで自然と人々の目に留まり、日常の風景の中に新たな視点を生み出すでしょう。
また、SNSとの親和性も高いことが予想されます。話題性のある壁画は訪れる人々に「写真を撮りたくなる」衝動を与えるもの。結果として、SNS上で拡散されれば、広告としてのリーチが大幅に広がる可能性があります。
トーキョーミューラルスクエアが目指すもの
OVER ALLsは本プロジェクトを通じて、都市空間に「ノイズ」としてのアートを取り入れることを目的としているとのこと。
都市開発が進む中で景観は統一され、整然とした街並みが形成されつつあります。しかし、アートは「違和感」を生み出す存在であり、これこそが都市に新たな活気をもたらすもの。普段見慣れた景色の中にアートを取り入れることで人々の思考を刺激し、新たな視点を生み出す場を提供したいと同社は考えています。
株式会社OVER ALLs 代表・赤澤岳人氏
アートの力で社会の関心を高めることも目的のひとつとのこと。時事性のあるテーマを壁画で表現することで、都市空間における情報発信の手段として機能し、社会の関心を喚起。ニューヨーク・タイムズスクエアのように都市の中心でメッセージを発信し、多くの人々の目に触れることで、社会的な意識の向上にもつながりそうです。
今後の展望
「トーキョーミューラルスクエア」は壁面をメディアとして活用することで、広告やブランディングの新たな可能性を示している施策。アートを通じて都市空間にあえて「ノイズ」を生み出し、社会にメッセージを伝えるこの取り組みは、同業界・異業種問わず今後の広告戦略のひとつの指針となる予感。
今後も社会の話題や時事性を取り入れた壁画を制作し、人々の心を動かす場として成長を続けていく同社の取り組みから目が離せません。
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