ファンマーケティングの元祖?Honda青山本社ビルがブロック商品化

企業文化や創業者のフィロソフィーを顧客と共有することで「Hondaらしさ」を積み上げてきた本田技研工業株式会社(以下、Honda)。ファンマーケティングという言葉が生まれる以前から、製品やブランドに対して愛着を持つファンとともに歩んできた日本企業です。

Hondaが創業者の顧客・社会への想いを具現化した青山本社ビルは、まさに同社の「宝物」のひとつですが、老朽化などを理由に建て替えられること、2025年5月に移転することが公表されました。その発表を受けて、モビリティファンに向けてさまざまなグッズを製造販売するCAMSHOP.JP(運営・株式会社フェイス/石川県白山市)が、その本社ビルをブロック商品として限定発売します。

グローバルモビリティ企業の本社として1985年8月に稼働したHonda青山ビル。同社がものづくりで大切にしているという安全性・省エネルギー・居住性・操作性・機能優先などをめぐる「哲学」をさまざまに取り入れています。

このビルをめぐるエピソードとして、総ガラス張りの外壁デザイン案を創業者である本田宗一郎が却下したというものが知られています。これは、モビリティメーカーとして防災性・安全性に配慮した建築デザインにするために、バルコニーを設置。地震の際に上部への延焼とガラスの落下を防ぎ、歩行者の安全を確保するために行われた変更だといいます。

バルコニーデザインを再現

同ビルの1階は本社ショールーム「Honda ウエルカムプラザ青山」として一般に開放。新製品を展示するだけのショールームではなく、ファンとのコミュニケーションを図ろうとする企画展示が行われています。さらに、同社のカルチャー「ワイガヤ(年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと議論すること)」を表現したインナーガーデン「ワイガヤの木」やカフェが設置され、近隣来訪者がくつろぐ姿も見受けられます。

青山本社ビルブロックは、Honda公認グッズとして限定販売されるもの。現在、予約販売が行われていますが、2月7日(金)から開催されるカスタムカーショー「オートメッセ大阪2025」でブロック完成品が展示されます。

創業以来、顧客とのコミュニケーションを通してブランドを育ててきた企業努力が実を結び、青山本社ビルとの別れを多くのファンが惜しむからこそ生まれた製品。まるで、Hondaの次世代への旅立ちを祝しているようです。

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