広告業界描く人気作『左ききのエレン』登場のクライアント事例12選
漫画『左ききのエレン』は、アートや広告に関わるクリエイターの情熱や葛藤と、広告業界の内情を描いた作品で、幅広い読者から人気を集めています。
2016年にインディーズ漫画として連載を開始。2017年に集英社ジャンプ+でのリメイク連載、2019年ドラマ化したほか、2023年にシリーズ累計300万部突破、そして今後アニメ化も決定し、インディーズからメジャーへと進出しました。
その一方で、コロナ禍では漫画の枠を飛び越えた支援の取り組みや、クラウドファンディングで漫画カテゴリー日本最高額となる総支援額5,300万円超の達成、noteでも原作版のインディーズ漫画を連載し続けるという、常に挑戦を続けている漫画です。
描いているテーマが広告業界であること、さまざまな取り組みを積極的に行っていることで、企業や団体とのコラボレーションが活発な作品でもあります。今回はそんな『左ききのエレン』の多彩なコラボレーション12事例をまとめてお届けします。
1.公開1週間で40万人以上が読んだ! 夢のコラボ企画! サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」×人気漫画『左ききのエレン』
サントリービール株式会社は、2018年5月1日(火)より、集英社「少年ジャンプ+」で人気連載中(当時)の漫画『左ききのエレン』(著・かっぴー/nifuni)とのコラボレーション特別企画を展開。連載漫画内で登場人物たちによってデザインされた「ザ・プレミアム・モルツ」の広告ポスターが、同年5月8日(火)より漫画の世界を飛び出して現実世界のJR渋谷駅(ハチ公口改札外)に登場しました。
この企画は、『左ききのエレン』の原作者であるかっぴーさんとサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」のX(旧Twitter)上でのやり取りをきっかけに始まったコラボ企画です。5月1日(火)から連載がスタートし、5月5日(土)に第2話、そして5月7日(月)に第3話が公開され、公開から1週間にして延べ40万PV以上を達成。神谷チームの最後の仕事として、『左ききのエレン』のファンを中心にSNSで多くの話題を呼びました。
今回の連載は、主人公たちに「ザ・プレミアム・モルツ」の広告制作依頼が来ることから始まります。実在する「ザ・プレミアム・モルツ」という商品の広告制作をめぐる主人公たちの苦悩や、まっすぐに広告制作と向き合う姿が描かれました。『左ききのエレン』ならではの胸が熱くなるストーリーに加え、現実世界と漫画の世界が共存する本企画は、同作品のファンだけでなく、多くの読者を魅了しました。
じつは、漫画連載と並行して、連載開始から5月7日(月)まで「広告制作中 MEGURO AD AGENCY」と書かれたポスターがJR渋谷駅に掲出されており、その意味深長なポスターをめぐり、ファンを中心にさまざまな憶測が飛び交っていました。MEGURO AD AGENCY(目黒広告社)は、作中の主人公が所属する広告会社。
そして、5月7日(月)の第3話が配信された翌8日(火)、主人公が制作していた「ザ・プレミアム・モルツ」の広告ポスターが制作中ポスターに代わって現実世界に登場。漫画内の広告がリアルな世界に飛び出すという、ファンにとってはたまらないフィナーレとなりました。作品の特性と実際の広告案件を結びつけた仕掛けが効いた施策となりました。
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2.デザイン会社グッドパッチが人気漫画『左ききのエレン』に登場。 UI/UXデザインの重要性と企業姿勢を伝えるオリジナルストーリー
株式会社グッドパッチが、人気漫画『左ききのエレン』(原作版 かっぴー作)に登場。この取り組みはUI/UXデザインのリーディングカンパニーであるグッドパッチが、現在のビジネスシーンにおけるUI/UXデザインの価値を社会に広めること、そしてグッドパッチの企業姿勢を伝えるための取り組みです。漫画は前編が2019年8月22日(木)、後編が8月29日(木)にそれぞれ『左ききのエレン』が連載されているコンテンツ配信サイト「cakes」にて掲載されました。
最強の国際クリエイター集団「アントレース」で、若いながらもテクニカルディレクターとして活躍する女性マリーン・ウィンスロップ。彼女がクリエイションを学んだ原点、それは、東京にあるUI/UXデザインに特化したデザイン会社グッドパッチ。創業者である土屋尚史との出会いが、彼女の才能を開花させた。そしてそれは2012年に記録された、アントレースがただ一度だけ競合プレゼンに敗北した事件の始まりでもあった。アントレースvsグッドパッチ。広告クリエイター集団vsUXデザインカンパニー。クリエイションに関する思想が対立しながらも、進化する過程の記録であり、一人の少女が走り出すまでの物語となっています。
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3.「新聞広告の日プロジェクト 朝日新聞社×左ききのエレンPowered by JINS」
株式会社朝日新聞社と、WEB発マンガ「左ききのエレン」とのコラボレーション。「新聞広告の日プロジェクト 朝日新聞社×左ききのエレン Powered by JINS(朝日新聞社×左ききのエレンPJT)」を、“新聞広告の日である2019年10月20日”の前日となる10月19日(土)より始動させました。
「朝日新聞社×左ききのエレンPJT」は、新聞広告の価値向上を目的に、漫画内に実際の企業を登場させるなど、新聞の常識にとらわれることなく、広告の新たな可能性を開拓するプロジェクトです。
まずは10月19日(土)に、「左ききのエレン」が連載されているコンテンツ配信サイト「cakes」にて、広告主によるオリエンテーションの様子が漫画で公開。そして“新聞広告の日”となる翌10月20日(日)には、オリエンテーションを受けた広告会社2社の企画案と企画会議の様子を、全国版朝刊内の見開き2ページすべてを使って描きます。
また、2社による企画案は、特設WEBページ、及びTwitter上でも同日公開。読者による投票期間を経て、投票数の多かった企画案を、11月中下旬に広告として全国版朝刊の新聞広告の1ページ全体(全15段)を使い実際に掲載しました。
WEB媒体での掲載から始まり、メディアを変えながらストーリーが展開されるプロモーションとなりました。
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4.『左ききのエレン ユニセフ特別編「チームの世界」』を公開
公益財団法人日本ユニセフ協会は、新型コロナストレスの影響から子どもを守る、子育てのヒントを伝えるWEB漫画を、2020年5月1日(金)に公開しました。公開されたのは『左ききのエレン』のスピンオフ・ストーリー、『左ききのエレン ユニセフ特別編「チームの世界」』として、描かれたものです。
今回、漫画家かっぴー氏の無償協力により、制作された本作品。ユニセフ(国連児童基金)が2020年4月10日(金)に発信した「ユニセフの子育て6つのヒント」を、漫画『左ききのエレン』とのコラボレーションを通じて伝えるものです。
新型コロナウイルスによる緊急事態の中で子どもたちと向き合う保護者にむけて、子どもの心に寄り添い、また自身のストレスとうまく付き合いながら、親子で前向きに日々を過ごしていくためのヒントを示すとともに、私たち一人ひとりにできることは何かを問いかけています。
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5.史上初のトリプルコラボ MARO×WIND AND SEA×左ききのエレン 描き下ろしスペシャル漫画「熊谷隆志登場篇」公開
製品やクリエイティブを通じて世界の人々に新たな価値を提供する株式会社ネイチャーラボが展開するメンズケアブランド「MARO(マーロ)」は、 スタイリストやカメラマンとして幅広く活躍する熊谷隆志氏がディレクターを務めるストリートウェアブランド「WIND AND SEA(ウィンダンシー)」とともに、広告業界を舞台にクリエイターの葛藤を描いた人気漫画『左ききのエレン』とのトリプルコラボレーションを実施しました。
このコラボレーションでは、ここでしか見られないスペシャル漫画の公開をはじめ、作中に登場するコラボアイテムの限定販売、WIND AND SEA NAKAMEGUROでの『MARO × WIND AND SEA × 左ききのエレン』の限定キービジュアルの公開を実施。
かっぴーさん描き下ろしの限定漫画は前篇、後篇の2作。前篇「熊谷隆志登場篇」 は、2021年3月8日(月)より、後篇「コラボ完成篇」は、3月10日(水)よりMARO特設サイトで公開されました。
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6.北海道スペースポート全面協力の、ロケット開発をテーマとしたWEBTOON開発プロジェクト
アジア初の民間にひらかれた商業宇宙港「北海道スペースポート」の事業推進を行うSPACE COTAN株式会社は、北海道スペースポートの応援コミュニティ「HOSPO SUPPORTERS」のメンバーでもあるINCLUSIVE株式会社と、その子会社である株式会社ナンバーナインとともに、ロケット開発をテーマとしたWEBTOON(スマホ特化型の縦型マンガ)プロジェクトを始動させました。
原作者として、『左ききのエレン』などの著者として知られる“かっぴー氏”が参画。エンターテインメントの観点から宇宙産業とロケット開発事業の理解促進と認知拡大を目指すプロジェクトとなっています。また、こちらのプロジェクトは、北海道スペースポートが関係する宇宙×エンターテイメントのプロジェクト第一弾と位置付けられたものです。
製作された『晴天のデルタブイ』は、2022年9月29日(木)に開かれるカンファレンス「北海道宇宙サミット2022」の参加者向け(現地・オンライン含む)に限定公開され、2023年2月7日(火)にはLINEマンガとebookjapanにて独占配信が開始されました。
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7.大人気漫画『左ききのエレン』と待望のコラボレーションが実現! 巨大ウィンドウアートや原作連動描き下ろし漫画公開
アスレチックライフスタイルブランドのリーボックは、ブランドキャンペーン「Life Is Not A Spectator Sport. ~人生を、動いて、動かせ~」(当時)の一環として、国内外で活躍するアーティストたちを起用し、ブランドを代表するアイテムとのコラボレーション企画を2022年3月より実施。
こちらの企画では、人気漫画作品『左ききのエレン』とのコラボレーションを実施。作者であるかっぴー先生描き下ろしの巨大ウィンドウアートをリーボックストア原宿にて、2022年7月22日(金)より公開しました。
さらに、かっぴー先生が描き下ろしたオリジナルストーリーの漫画を、リーボック公式X(Twitter)、リーボック クラシックストア原宿店にて公開。また、本キャンペーンに合わせて、幻のモデルと呼ばれる「INSTAPUMP FURY(インスタポンプフューリー)」の後期型「INSTAPUMP FURY 95」より、 “サックスブルー”を発売。購入者には、『左ききのエレン』オリジナルデザインの特典が数量限定で用意されました。
クリエイターの群像劇を描いた『左ききのエレン』は、「天才になれなかった全ての人へ。」というメッセージのもと繰り広げられる物語です。
「“天才”も“天才に憧れたけれど叶わなかった人”も、諦めずに自分の信念で動いて、自分だけの道を切り拓けば、それぞれの人生がみつかる、決して傍観者になるな。」という、人生のマニフェストのような思考と、リーボックが掲げるブランドメッセージが共鳴し、コラボレーションが実現しました。
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8.パナソニック「ボディトリマー」が人気漫画『左ききのエレン』との初コラボをスタート!
パナソニック「ボディトリマー」と人気漫画『左ききのエレン』がコラボレーションしたオリジナル漫画が2022年12月21日(水)より「少年ジャンプ+」アプリ・サイトで無料公開されました。
集英社の漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」の人気漫画(当時)『左ききのエレン』とパナソニック「ボディトリマー」の完全描き下ろし漫画は、大手広告代理店に勤めるデザイナー・光一と、コピーライター・みっちゃんが「ボディトリマー」の広告制作に挑むオリジナルストーリーです。
12月21日(水)から3月20日(月)までの3か月間「少年ジャンプ+」アプリ・サイトにて無料配信されました。 加えて「ボディトリマー」公式サイトでも12月27日(火)より掲載となりました。
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9.株式会社FUSION 漫画「左ききのエレン」のスポンサーに決定
株式会社FUSIONは、広告代理店を舞台に”働く大人の葛藤”を描いたクリエイター群像劇漫画「左ききのエレン」への協賛を、2024年2月1日(木)より開始しました。
「左ききのエレン」は漫画家かっぴー による、広告業界を舞台にした、インディーズ連載作品です。インディーズ連載という形を活かし、さまざまな新しい取り組みを行っています。そして、今回新たに「提供枠」が用意されることになりました。
NEW ANSWER COMPANYとして、広告業界で事業を展開するFUSIONは、「左ききのエレン」という作品、そして新しい取り組みに共感し、協賛という形で参画するものです。
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10.挑戦を応援するコーヒー「EXIT COFFEE」、原作版「左ききのエレン」をスポンサーとして支援
マッスルデリなどを運営する株式会社YOUR MEAL(ユアミール)は、2023年11月に発売したタンパク質がとれるコーヒー「EXIT COFFEE(イグジットコーヒー)」による、原作版の漫画『左ききのエレン』のロゴスポンサーを2024年2月より開始しました。
『左ききのエレン』に登場する人物、そして、左ききのエレンを読んでいる人たちに向けて、「挑戦を応援するコーヒー」として名乗りを上げたものです。きっかけとなったのは、原作版『左ききのエレン』で、2024年1月16日(火)にされたnoteへの投稿。
【企業様向け】「左ききのエレン」のスポンサーになってください。https://note.com/nora_ito/n/nf8118601a4c6
この「左ききのエレンを推す企業・商品」に、挑戦を応援するコーヒー「EXIT COFFEE」が最初になるべきだとの思いから、まず1クール(3ヶ月)のスポンサーをすることを決めたといいます。
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11.Rox株式会社 漫画『左ききのエレン』への協賛を開始しました
Rox株式会社は、自分の力を信じ挑み続ける人々を応援する企業として、漫画『左ききのエレン』(原作者:漫画家かっぴー)への協賛を開始しました。
「世界中の人々を楽しませる」というビジョンを掲げ、Instagram CRMサービス「Rox Message」を提供するなど、デジタルマーケティング事業を展開しているRox株式会社。「失敗を恐れない」という価値観を大切にし、同僚はもちろん、クライアント企業やステークホルダー全員と協力し、挑戦しながら常に前進することを目指しているといいます。
漫画『左ききのエレン』に登場するキャラクターたちが、たとえ負けても、才能がないと感じても、挫けずに自己の信念を持って挑み続ける姿に強く共感。今回、作品への協賛を決定したものです。
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12.ブレインスリープ発”睡眠時間を削って戦う 全ての人へ”「#寝ずに頑張ったけどあるある」20%のパフォーマンス低下体感など交通広告で睡眠に気づきを
株式会社ブレインスリープは、“睡眠時間を削って戦う 全ての人”に向け、睡眠の質の重要性を啓蒙するプロモーション企画を実施しました。
このプロモーション企画は、ブレインスリープが行った「睡眠偏差値®調査2024」において、業種別に分類した際、最も低い睡眠偏差値のスコアとなった<マスコミ・広告業界>で働くビジネスパーソンにフォーカスしたものです。
「#寝ずに頑張ったけど……」をテーマとしたあるある体験を発信する交通広告、大手広告代理店を舞台にした漫画『左ききのエレン』の作者である人気漫画家かっぴー氏とのタイアップ企画などを実施。睡眠を基軸にした共感できる体験・事実から、睡眠時間がなかなか増やせない毎日でも、質の高い睡眠をとることで日々のパフォーマンスを向上することをサポートするべく発信されました。
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『左ききのエレン』登場のクライアント事例12選まとめ
作品世界と現実世界が見事にリンクするような施策の数々。作品自体の魅力もさることながら、積極的にさまざまな企画に挑戦していることから、多彩な施策へと広がっています。
積み重ねられた施策は、また新たな試みを呼び続けていることもポイントです。漫画作品とのコラボレーション自体は珍しいものではありませんが、ここまで広く長くコラボレーションしている作品として目を見張るものがあります。
リアルとバーチャルを行き来する「メディア」と考えると、自社製品を登場させたい広報・宣伝担当者にとって、大いに参考となる事例集と言えるかもしれません。
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