“完璧な親”の姿を否定し、子育ての壮絶さと向き合うことを表明した、米・ベビー用品ブランド

ベビー用品ブランドのBabyganicsが、子育ての大変さから目を背けずにありのままの姿を称賛するために”Here’s to Perfectly Imperfect Parenting(完全に不完全なすべての親たちへ)”というタイトルで、今までベビー用品業界の間で描かれてきた完璧な親像は作られたものであることを認めて、等身大の子育てを紹介することを表明するキャンペーンを公開しました。

キャンペーンの開始に先立ち公開されたキービジュアルは「世界中の親御さんへ、ごめんなさい。わたしたちの業界が描いてきた、理想の親像について話さないといけない時がきました。まず、あれはそもそも虚像であり、日々頑張る皆さんにとって毒でしかありません」という、まるで謝罪会見のような文章ではじまります。

「わたしたちはあまりにも長い間、理想の親というものは、腹痛と戦う必要も、止める暇すらない台所の蛇口を気にする必要も、新型コロナウイルス感染症すらも存在しない世界に住む架空の人物として描いてきました。日々子育ての大変さと格闘する皆さんには多大なストレスを与えてしまったかもしれません。ですが、その責任はあなたではなく、サポートする姿勢を示してこなかったわたしたちにあります」

「これからBabyganicsは、理想の親としてではなくありのままの親の姿を描いていくことを約束します。完璧な親なんて存在しないことを認めます。完璧な親を演じきれない世界中の皆さまへ、あなたは間違っていない。間違っていた事なんて、一度もありませんでした」

子育てを描くブランドとして、今までのコミュニケーションの中での姿勢の過ちを認め、今後はありのままの姿だけを表現していくことを約束したメッセージビジュアル。同時に公開されたブランディング動画ではこの姿勢を体現するかのように、遊び疲れて寝てしまった親や、リモート会議に参加しながら子どもにご飯を食べさせる様子を紹介しています。

その他にも、どんどん溜まっていく汚れた食器や泣き止まない赤ちゃんの様子、買い物中に親の脚にしがみつき引きずられてしまう子どもの姿を童謡”Wheels on the Bus”のメロディに合わせて映していきます。

今まで世界的なブランドの多くがCMの中で描いてきた理想の親像を否定し、実態に即した姿を表現する事の大切さを表明することで、子どもたちと向き合う肉体的にも精神的にも大変な親の味方でありたいというブランドの姿勢を表しています。

その他のブランディング事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=27

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