ボツになったイラストを利用した、アルツハイマー患者のための塗り絵『Beautiful Minds』

Beautiful Minds

脳の萎縮によって、記憶力や行動能力が徐々に失われていくアルツハイマー病。人口の高齢化に伴って患者の数も大きく増加することが見込まれ、アメリカでは2050年までに罹患者数が1,600万人を超えると推定されているといいます。

一方で、研究によるとアルツハイマー病には塗り絵が効果的だとされており、どんな色を使うか考えたり手先を動かしたりすることによって、アートセラピー効果が期待できるのだそう。

このことを多くの人に知ってもらうため、アルツハイマー病患者やその家族を支援するアメリカの非営利団体・Alzheimer’s Foundation of America(AFA)は、クリエイティブエージェンシーのKastnerと協力し、特別な塗り絵『Beautiful Minds』を制作する取り組みを行いました。

Kastnerでは、イラストレーターたちが日々様々な作品を生み出していますが、描かれたたくさんのスケッチのなか、実際に採用されるデザインは半分もありません。

AFAはこの“制作の過程で捨てられるイラスト”に着目し、それらを集めて製本するアイディアを考案。患者のケアを行うデイサービスでの無料配布を実施したのです。

イラストには『開かない扉はありません』『価値がないと思えるものでも、実は人生の中で大切な役割があるかもしれません』などといったフレーズを添え、記憶の喪失という自らの変化に戸惑う患者を勇気づけるような内容に。

この取り組みはテレビやラジオなど様々なメディアで紹介された結果、2億3,000万件ものインプレッションを獲得し、病気に対する人々の関心を集めることに成功しました。

制作された塗り絵は、全米のケアセンターで3,000人もの患者に手渡されたそう。そして今後も増刷を繰り返しながら、多くの患者のために役立てられるということです。

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