海外の情報をシャットアウト。“ビロード革命”の意義を再認識するデジタルキャンペーン
Case: The Forgotten Day Of Freedom
1989年11月17日にチェコスロバキア社会主義共和国で勃発したビロード革命。当時の共産党支配を倒し民主化を実現した、両国にとって記念すべき日です。
しかし近年その認識は薄れつつあり、10代・20代の6割以上が革命についてよく知らない、または興味がないと答えているそう。
そんな状況を憂慮したのがスロバキアの通信会社・O2。同国の歴史上で最も大切な出来事と言われるこの革命について人々によく知ってもらおうと、若い世代を対象にしたデジタルキャンペーンを打ち出しました(本施策は昨年11月に実施されたものです)。
まず同社が行ったのは、11月17日にインターネット上で海外のサイトを全てブロックすること。さらに外国のニュースや音楽など、国外の情報を一切遮断したのです。
共産主義国家時代の情報統制を彷彿とさせるこの取り組みは、瞬く間にSNSで話題に。その後O2はユーザーのスマホに『1989年以前は国境を超えるだけで犯罪となったこと、そして今享受している自由を当たり前だと思わずに感謝しよう』という内容のショートメッセージを送信しました。
さらに革命が起きた15時20分に、Facebookライブ上で数万人が参加した当時のデモの映像を配信。またインスタグラムストーリーでも革命にまつわる記録を公開し、あたかも今現在起こっている出来事かのようにみせたのです。
この試みはインフルエンサーを起点に拡散したほか、各局のテレビニュースでも取り上げられ、チェコおよびスロバキア両国民のおよそ3人に1人にリーチすることに成功しました。
民主化革命を成し遂げた功績を称え、感謝しようと呼びかけたキャンペーン。インターネットとSNSを効果的に使い、ターゲット層にダイレクトにアプローチした秀逸なデジタル施策でした。
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