歴史は机上で学ぶモノではない…南ア国立博物館による、歴史の体験者の声を届ける屋外広告

Case: Hidden Heritage

南アフリカでは9月24日を『Heritage day(伝統文化継承の日)』と制定し、文化や伝統の多様性を祝う祝日としています。

この国の歴史や文化は、人種隔離政策をなくしては語れません。そこで同国の国立博物館・Iziko Museumsは、教育・居住・選挙権などあらゆる分野で白人と非白人を分離し、差別したアパルトヘイトなどの体験者の声を人々に届けることを考案。各地で様々なイベントが催されるHeritage dayに、ユニークな取り組みを行いました。

首都のケープタウン市内6ヶ所に設置したのは、この街で実際に起きた出来事や、後世へと伝えたいメッセージを紹介した看板。

『500人の奴隷をのせた船が沈没し、300人が犠牲になった。』

『寝ていると、誰かが僕を連れに来た。そしてその後二度と自分の家を見ることはなかった。』

『彼らは信じていた。より良い世の中にするために戦うのだと。』

『多くの事実は文章に残されていないため、亡くなった人たちと一緒に埋葬されてしまった』

さらに看板に書かれたTwitterアカウントにアクセスすると、その体験を本人が語った動画を視聴することが可能。

この取り組みはSNSを中心に広く拡散し、多くの称賛コメントが寄せられたといいます。

歴史上の出来事を実際に体験した人の声を聴くことは、机上で学ぶよりもずっと強く心に残るに違いありません。決して繰り返してはならない、という教訓を語り継いでいくためのユニークな施策でした。

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