「もっとみんなに見てほしい」 思わずハッとするNPOの啓発動画
Safehaven Torontoはカナダ・トロントに本部を構え、35年以上に渡り医療的複雑性を持つ子どもたちに対して住居提供やレスパイト入院の手配などを通じて複合的なサポートを行ってきたNPOです。そんな活動を続けるなかで同団体が新たに着目したのは、彼らが支援する子どもたちは社会から一切“見えていない”ということ。そんな課題を浮き彫りにし、どんな境遇の子どもであっても「(社会から)見られる存在」になってほしいという願いが込めたCMが公開されました。
“Invisible(透明人間)”という動画では、性別や人種を問わないさまざまな子どもたちが「もしどんな能力でも手にいれることができるならどんな力がほしい?」という問いに対して「透明人間になりたい!」と答える様子が紹介されています。「どの子どももみんな同じ願いを持っている。なぜならすべての子どもは同じ尊い存在だから」というフレーズが映し出され、どんな子どもであっても、その本質は一緒であるはずだということをエモーショナルな映像とともに打ち出しているのです。
大きな演出的な転換はなく、動画はこのまま幕を下ろすのかと思いきや、ラストカットで複雑な疾病や病状と戦う子どもがフィーチャーされます。「ぼくはみんなに見てほしい!」と言うセリフとともに動画は終わり、多くの人に対して直感的な衝撃を与えるような内容で締めくくられます。
透明人間になっていろんないたずらをしたいと願う大きな症状を抱えていない子どもたちと、1人でも多くの人と触れ合いたいと願う複雑な症状と戦う子どもたち……その両者の間には本来何の差異もないはずなのに、なぜかまったく別の願い事をしてしまう矛盾が浮き彫りにする社会の現状と向き合ってほしい、そんな切なる想いが込められた事例でした。
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