シンプルな日常の風景を通じて夢を描く、アイルランドの宝くじ
日本では大物タレントのキャスティングと派手でポップな演出が印象的な宝くじのCMですが、エリアによってクリエイティブの方向性は大きく変わることがあります。今回ご紹介するアイルランドの国営宝くじでは、派手さや華やかな演出は一切なく、ただ淡々と日常生活の一幕を通じて宝くじがもたらす人生の変化が表現されています。
仕事を終えて帰宅した女性が、待っていた男性と一緒に夕食を食べるシーンが舞台となる映像は、2人の会話を中心に物語が展開していきます。「ねえ、もしどこか旅に行くとしたらどこに行く?」「そうだな、フランスがいいかも」「どこでもいいのにフランスを選ぶの?」と、物理的にアイルランドと距離が近いフランスを選ぶ男性を不思議そうに見つめる女性……。
「いや、フランスからはじまって、そのままイタリアを南下、インド洋を渡ってアジアまで行ってみたいなあ」とつぶやく男性に対して、最終的に女性は「できるよ、それ」と言って貯金を入れていた瓶のなかから1枚の宝くじを取り出します。
この時点ですべてを察した男性は思わず女性を抱きしめ、“It Could Be You(これはあなたかもしれない)”というフレーズとともに動画は幕を下ろします。終始静寂のなか、2人の登場人物のやりとりを描くことでリアルさを追求した映像に仕上がっています。静かなのにどこかエモーショナルで、ラストカットには熱ささえ感じるような不思議なCMでした。
同時に公開されたOOHでは満面の笑みを浮かべる女性の様子とCMでも使われたキャッチフレーズが書かれており、一貫したメッセージングを通じて夢を持つことの魅力を訴求しました。
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