「真似されるのは光栄なことだ。」盗作疑惑のライバルを逆手に取った、シンガポールLCCによる凄いPR
Case: Inspiring Spirit
シンガポールの格安航空会社(LCC)・スクートが、自社の広告に類似した内容のキャンペーンを展開するアメリカのLCC・スピリット航空に対してとった、ユーモア溢れる対応が話題を呼んでいます。
そもそも両社は黄色をメインカラーに据えている点では共通しているのですが、スクートが制作したロゴやポスターに対し、その1-2年後にスピリットが公開した広告デザインが驚くほどそっくりなのです。以下画像の左と右を比べてみてください。
普通なら法的措置を取ってもおかしくないような状況ですが、スクートでは『真似されるのは、それだけ注目されているという事。光栄なことだ。』として、逆にスピリットに敬意の意を示したのです。
さらに『どうせ真似するなら、とことんやってね!』とばかりに、CEOが直々に出演したビデオレターを制作し、ネットで公開。
また、“スクートをそっくり真似するためのグッズ”やロゴに関するガイドブックまで制作し、極めつけはスクートの機体に「Inspiring Spirit(スピリットにインスピレーションを)」と記すなど、スピリットによるパクリをもはやネタにして、とことんいじり倒しています。
すると、このちょっとブラックなユーモアを交えた対応が「面白い!」と、多くのメディアがスクートに注目し、なんと4000万米ドル相当のメディアカバレッジを獲得。様々な媒体で紹介された結果、Googleでの検索が32%も上昇するなど、大きな関心を集めることに成功しました。
ライバル会社による盗作疑惑を逆手に取って、これ以上ない“自社の宣伝の機会”へと変えてしまう見事な手法。懐の深さとユーモアたっぷりの切り返し、そのセンスの良さに脱帽です。
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