科学者の真の姿を描いた感動動画 「科学は実験室のためにあるのではない、私たちの生活のためにあるのだ」

Case: Unsung Heroes of Science

オランダを代表する総合化学会社のDSMが、「科学は実験室のためにあるのではない、私たちの生活のためにあるのだ」とのメッセージを込めた動画を制作しました。

サイエンスと聞くと、科学者が実験室で試験管に向かい合って黙々と研究を重ねている姿を連想する人も多いと思います。しかし、科学は実験室のサイエンスのためにあるのではなく、人間のよりよい未来、より快適な生活のためにあり、科学は世の中を変えることができるのだというDSMの想いを、今回4分間の動画に込めました。

DSM – Unsung Heroes of Science from 1Camera on Vimeo.

動画に登場するのは、100人の候補者の中から選出されたという国籍、研究分野が異なる5人の科学者たち。

ニュージーランドのRichard Little氏とRobert Irving氏は足が不自由な人のための人工四肢を研究しています。彼らが取り組んだサイエンスは、実験室を飛び出し、実際に多くの人の助けとなるアイテムとなり、動画では一人の女性が彼らの努力の結晶を装着し、初めて歩行する感動的なシーンが描かれています。

タンザニアではBart Knols氏がマラリア対策に取り組んでいます。彼は研究に取り組んでいるのではなく、人間の命の問題に取り組んでいると話します。彼が生み出したパイプはなかなか周囲の理解を得ることが出来ず、科学者としての葛藤も描かれています。

タイではSaumil Shah氏が屋上に藻を栽培する研究をしており、飢餓問題の解決策の一つとなるようサイエンスの力を結集して挑戦しています。

米サンフランシスコでは、Molly Morse氏が有毒なメタンガスを生分解性プラスティックに変える研究をしています。開発援助を求めるも、想いが伝わらない場面では、“あなたみたいな人がいるから地球が滅亡の危機に瀕するのよ!”声を荒げるシーンもあり、冷静沈着と思われがちな科学者が熱くなる一面が描かれています。

5人の科学者全てに共通すること、それは実験室で科学のためのサイエンスに取り組むのではなく、人間のよりよい生活のために持てる能力を全て結集して取り組んでいるということ。どの科学者も家族との時間が充分に取れず時には家族とすれちがい、自分の研究が受け入れられず関係者と衝突し、悩み苦しみながらも世界を変えるために突き進んでいるありのままの科学者の姿が描かれています。

この動画は、年間を通して50ヶ所で上映される予定であり、DSMのブログやウェブサイトにもアップロードされています。科学関連業界、政府機関、NGOをターゲットとしている他、とりわけ一般視聴者に届けることを重要視しているといいます。

サイエンスが身近に感じることができる動画をぜひご覧ください。

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