1日足らずで3ヶ月分が満室に LOWRYS FARMがホテルをプロデュースする理由
Case: LOWRYS FARM「BEARS HOTEL」
話題になった、または今後話題になるであろう日本国内の広告・クリエイティブの事例の裏側を、案件を担当した方へのインタビューを通して明らかにしていく連載「BEHIND THE BUZZ」。
今回は、株式会社ポイントが展開するアパレルブランド「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」が、グランベルホテル渋谷で1室限りのコンセプトルーム「BEARS HOTEL(ベアーズホテル)」を手がけた企画を取り上げます。このルームは8月1日(金)よりオープン、好評のため8月〜10月の展開予定が11月まで延長されることとなったというこの企画について、株式会社ポイント 広告宣伝・WEB営業部 広告宣伝担当 Jr. ブランドコミュニケーションプランナー 高坂小桃さんにお話を伺いました。
女の子の「この夏何をしたいか」を実現する場所
—まず、ホテルをプロデュースするというアイデアが挙がったきっかけは何でしょうか。
今年、女の子のライフスタイルをプロデュースするという「MADE IN LOWRYS FARM」というプロモーションを展開していて、その一環でユーザーにWEB で「この夏何をしたいかという」投稿キャンペーンを実施しました。その中で「旅行をしたい」という声が一番多く、その声を受けて「旅行」に欠かせないホテルをプロデュースすることにしました。
—渋谷というエリアは最初から決めていたのですか。
はい。LOWRYS FARMを買いに来てくださるお客さまが遊びに来そうな街の一つとして渋谷を選びました。そして、その渋谷というエリアにかわいくて女の子がアガるようなホテルが少ないという点もありました。
—その中で、渋谷グランベルホテルを選んだ理由は。
元々おしゃれなホテルなので、泊まるお客さまに特別な気分を味わってもらえると思ったのが決め手でした。
—お部屋の世界観について聞かせてください。
まず、LOWRYS FARMがホテルをプロデュースするにあたって一番大事にしていたことが、ターゲットである女の子が「泊まりに来たい」と思うこと、泊まりに来たときに楽しめること、LOWRYS FARMがつくるホテルとしてふさわしいこと、という三つでした。また、LOWRYS FARMが持つ「カワイイとカッコイイのバランス」をホテルでも表現することを重視しました。
『BEARS HOTEL』は“いたずら好きのクマ”をテーマにし、女の子に永遠に愛される動物のクマをモチーフにすることでカワイイを表現しています。そこに、クマとは正反対な工場というモチーフを組み合わせることでかわいさだけじゃないかっこ良さもプラスしました。ドラム缶のテーブルや、工場にあるような骨組みのラックなどで工場らしさを演出しています。さらに、「MADE IN LOWRYS FARM」キャンペーンのキーカラーのピンクを部屋のあらゆる所に施しています。
—さらに、渋谷エリアの店舗とのコラボレーション(飲食店、ネイルサロン、雑貨店など計7店舗でオリジナルメニューを提供する「HOTEL MAP」)を実施した意図は何でしょう。
ホテルの外に出たときでも「MADE IN LOWRYS FARM」の世界観に触れて頂いて、渋谷を楽しんでもらいたいという狙いです。
ホテルのアメニティをLOWRYS FARM店舗・WEBストアでも発売
—ターゲットとした世代や居住地などはありますか。
ブランドとして年齢は特に縛っておらず、いつまでも女の子というマインドを持っている女性に幅広くと思っています。都心の方も地方からの方もどちらかに比重を置いているわけではありません。「ホテルで女子会」という話は最近よく耳にしてはいたので、女の子にとって「ホテル」は特別なんだなと感じています。
—いらっしゃるお客さんはどのような方が多いですか。
女性2人の組み合わせが最も多いです。または男性と一緒にというパターンや、女性一人でというパターンもありますね。予約がスタートしてから「BEARS HOTELに泊まったら、渋谷でどんなことをしたい?」という新たな投稿キャンペーンをしていて、この中でも「彼と渋谷に行って買い物したい」とか「一緒に特別な時間を過ごしたい」といった声もよくあります。また、LOWRYS FARMの店舗で働いているスタッフからも「泊まりましたよ」という声を頂いたりしています。また、女子心をくすぐるような部屋、特にアメ二ティがかわいいという話はよく頂いています。
—アメニティは持ち帰れるのでしょうか?
持ち帰れるのは、ルームウェアと歯ブラシセットのみです。ルームシューズ、タオル、マグカップ、メモ帳など持ち帰れないものも含めて、実はこれらのグッズを9月5日(金)より全国のLOWRYS FARMの店舗および公式 WEBストアにて発売することを決定しました。
—ホテルへの反響はいかがでしたか。
実は今回内装の写真をメディアに全く出していなくて、お客さまはホテルに泊まるまで内装がどういうものか全く分からないんです。それにも関わらず予約が1日かからずに90日分埋まりました。そのスピードは社内がザワつく程でした。ホテルの中身を何も見せていないにも関わらず、ブランド自体を好きで予約してくださるということが嬉しいですね。お客さまに感謝の気持ちを込め、宿泊期限を11月まで延長することも決定しました。ローリーズファームとしても、これまで様々なコラボレーションをしてきましたが、ライフスタイルの部分までプロデュースするというのは初めてでした。この点でも驚きはあったのではないかと思います。
20年以上ファッションブランドとして認知頂いて、次のステージに上がる為には、今後もファッションだけではなく女の子のライフスタイルをよりリードする存在になっていきたいと思っています。
【Interviewee】
株式会社ポイント
広告宣伝・WEB営業部
広告宣伝担当
Jr. ブランドコミュニケーションプランナー
高坂 小桃さん
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