ゆるいイラスト、鋭いアイデア。ペンの細さを訴求するクリエイティブなプリント広告
Case: Faber-Castell Grip Finepen 0.4
LEGOのキャラクターに細ペンで刺青を描く、細胞に細ペンで絵を描くなど、ペンの細さをビジュアルで訴求する広告は今までもありました。
その度に「こんな表現の仕方があったか!」と感心したものですが、世界のアイデアはまだまだ尽きません。本日は、Faber-Castellの「Grip Finepen 0.4」という細ペンの広告をご紹介します。
一見、イラストがゆるすぎて状況が掴みにくいかとは思いますが、よくよく見ると「なるほど!」とうなずく描写がされています。
ここは「QUICKSAND」とあるように、「流砂」でできた場所。人が立つとその重さでどんどん沈み込んでアリ地獄のようにハマってしまうのですが、右に描かれた人は本商品「Grip Finepen 0.4」で描かれているので、流砂よりも密度が細かい。だから沈まないんですよ、というロジックです。
このシリーズはシチュエーション違いで展開されています。今度は針のベッドに座っている2人の男性。左の男性は針が刺さってしまっていますが、右の男性は針よりも細いペンで描かれているので、針の上に乗っかることができています。
次のシリーズ「ベンチ」篇では、右の男性は重すぎてベンチが壊れてしまい、左の細ペンで書かれた男性は自然とベンチに座ることができています。「細い」以外にも、「軽い」「軽やか」といった書き心地まで含めて訴求できています。
最後は「ボート」篇。細ペンの男性の方が軽いため、線と太い男性の方が座っている側が海へと沈みそうです。しかも近くにはサメが・・・。
ペンの「細さ」「軽やかさ」という利点が優位に立つシチュエーションをうまく見つけてきた点が、とても秀逸な広告ですね。繊細な描写もよいですが、これくらいゆるいイラストで展開するのも、逆に目を惹くのかもしれません。
Written by Chiba Yuki
老舗筆記具メーカー・ファーバーカステルのクリエイティブな広告に関心のある方は下記もご覧ください。
・ファーバーカステルのオシャレな広告(まとめ)
参考サイト
Ads of the World
http://adsoftheworld.com/media/print/fabercastell_grip_finepen_04_quicksand
http://adsoftheworld.com/media/print/fabercastell_grip_finepen_04_needles
http://adsoftheworld.com/media/print/fabercastell_grip_finepen_04_bench
http://adsoftheworld.com/media/print/fabercastell_grip_finepen_04_boat
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