アプリや家計簿に興味のない人も取り込みたい! ユーザー層拡大に広報を活用するZaimの戦略
Case: 無料オンライン家計簿ツール「Zaim」のPR活動
App StoreとGoogle Playのファイナンス部門アプリランキングで1位を獲得し、2013年には「グッドデザイン ベスト 100」を受賞した日本最大級の無料オンライン家計簿ツール「Zaim」。従来の家計簿ソフトよりもずっと優れた使い勝手に加え、女性エンジニア、株式会社Zaimの閑歳孝子代表取締役が個人で開発したことでも注目を集めています。メディアに掲載された特集記事・インタビュー記事などで、Zaimの名前を見掛けることも少なくありません。
そんなZaimが今後の成長を見据え、課題の1つとして挙げているのが、これまで「家計簿をつけてみよう」と思ったことがない人にもZaimユーザーになってもらうこと。同社はそのために広報活動に注力。2013年秋から、出資元のクックパッド株式会社で広報を長年担当している櫻井友希代氏の協力を得て、加えてPR TIMESによるプレスリリース配信、広報の戦略立案・業務遂行支援を利用することで、広報体制をより強化してきました。
同社はこれまで広報活動をどのように展開し、これからどのように変えていこうと考えているのか。Zaimの閑歳氏とクックパッド 料理が楽しくなる広報部の櫻井氏にお話を伺いました。
試しに利用してみたプレスリリース配信サービス、予想以上に大きな反響
――オンライン家計簿ツール「Zaim」はリリース間もないころから、多くのメディアに取り上げられていました。以前はどのようなやり方で、メディアとの関係を築いていたのでしょうか。
(閑歳氏) ネットメディアや新聞社などの連絡先リストを作成し、新機能を追加したときなど、逐一メールで連絡していました。連絡していたのは30~40社ぐらい。私自身がもともとは出版社で働いていましたから、人脈を生かして、有力メディアの記者に直接掲載を依頼することもありました。
クックパッドから櫻井が協力してくれるようになってからは、テレビ媒体なども連絡先に入れるようになりました。それでも全体として見ると、連絡することが多かったのはネットメディアでしたね。
――以前からメディアに取り上げられることが多く、しかも広報の専門家が業務に加わることになりました。それだけ環境が整いつつあった中で、さらにPR TIMESを導入しようと思った背景には、どのような理由があったのでしょうか。
(閑歳氏) Zaimにレシートの自動読取機能を追加したとき、プレスリリース配信サービスを1度試してみようと思い、PR TIMESを利用したことがきっかけです。
試してみたところ、予想以上に大きな反響がありました。PR TIMESのサイトからTwitterなどで拡散して話題になっただけではなく、それまで知らなかったアプリレビューサイトでも取り上げられて、びっくりしました。
その後、PR TIMESの担当者から「スタートアップ企業向けに、広報戦略の立案や業務遂行を支援するプランがある」と提案を受けたので、そちらも試してみることにしたのです。
配信代行で“面”を抑え、自分たちは大事な“点”を取りにいく
――プレスリリース配信サービスとしてのPR TIMESについて、もう少し質問させてください。PR TIMESに配信代行を依頼したことで、以前と比べてどのような変化がありましたか?
(閑歳氏) 以前まではリーチできていなかった女性向け情報サイトやアプリレビューサイトでも取り上げられることが増えました。著名な大手メディアだけでなく、iPhoneやAndroid向けアプリの専門情報サイトなど、新興メディアにも幅広くアプローチできるようになりました。
(櫻井氏) 従来からのやり方とPR TIMESを使ったプレスリリース配信、広報にはその両方が必要だと思います。どうしても取り上げてほしい重要なメディアを“点”で取りにいくことと、より多くのメディアを“面”で抑えること。後者をPR TIMESに任せることで、Zaimとして前者にリソースを集中できるようになりました。
それぞれがやるべきこと、得意なことに集中することで、より大きな成果を生む。リソースに限りがある中で広報活動をする企業にとっては、非常に重要なことだと思います。
消費増税に絡めた自主調査を発表。「家計データはZaimに聞け」と認知が広まった
――プレスリリース配信以外の部分、PR TIMESから受けた業務支援について、詳しく教えてください。
(閑歳氏) 2014年2~3月の2カ月間、有力メディアへの働き掛け、アプリレビューサイトへのレビュー記事の掲載依頼、自主調査を実施してプレスリリース配信する業務をお手伝いいただきました。
特に自主調査をお願いしたことが成果につながりました。消費税増税前に節約意識に関する調査結果をリリースしたんです。多くのWebメディアに記事として取り上げていただけました。
その調査は、企画から調査票作成、データの集計・分析、プレスリリースの作成・配信まで、ほとんどPR TIMESにお願いしました。リリース後、「Zaimは家計簿アプリを提供しているから家計関連のデータを持っている」という認知がメディア関係者の間で広がったようで、最近はメディアから「こんなデータを持ってないか」と調査依頼や問い合わせが入る件数も増えてきています。
ユーザーやメディアとの接点を増やすためにも、自主調査のリリースは有用
――他にもPR TIMESという外部の力を借りたことで、得られた成果などはありましたか。
(閑歳氏) 何よりも私自身のプレスリリースに対する考え方が大きく変わりました。
以前まで、プレスリリースとは「アプリの機能追加をお知らせするもの」。それが自主調査結果を配信するようになったことで、ユーザーやメディア関係者にZaimからの情報を届ける機会を増やせました。そうして接点を増やしていくやり方があるのかと勉強になりましたね。
機能追加のリリースに反応してくださるのは基本的に、当社の製品を既に知っている方々になります。自主調査のような取り組みを増やすことで、これまでZaimのことを知らなかった方々にも、「試しに使ってみようか」と興味を持ってもらえるかもしれません。そういった意味からも、可能性を感じています。
『市場規模・ユーザー層を拡大するために広報を活用』
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