17,793本の釘が叶えた『労働者の夢』
Case: A Story of 17,793 nails
中東のアラブ首長国連邦には100万人以上のブルーカラー労働者がいると言われています。
アラブ人の夢と希望の国の建設を担ってきたのは、まさにこのブルーカラー労働者ですが、一人一カ月あたり約20万本もの釘を打つというブルーカラー労働者の平均月収はわずか200~300米ドルであり、彼ら自身の『夢』を実現するには到底足りないのが現状です。
ブルーカラー労働者たちの『夢』、それは、自身の子供たちには十分な教育を施し、自分とは違う人生を歩んで欲しいというもの。
そんな状況に置かれている労働者のために、同国で活動するNGO・Smartlife Foundationは、彼らの夢を叶えるために、彼らが毎日仕事で打ち込んでいる“釘”を使ったチャリティー活動を仕掛けました。
ショッピングフェスティバル開催中で賑わいを見せるドバイの街に、突如設置された大きな壁。これが、ブルーカラー労働者の“夢のキャンバス”です。
よく見ると、点描画が描かれており、一つ一つの小さな点に一つ一つ釘を打ち込むことで、一つの大きな“釘絵”を完成させようというもの。
釘は一本10AED(約2.7米ドル)で販売され、チャリティーとなります。Facebook等インターネットを積極的に活用して、イベントへの参加を呼びかけました。
結果、多くの人々の関心を集めることに成功し、大勢の人が“夢のキャンバス”を訪れ、釘を打ち込みました。
釘を打ち込むことで、ブルーカラー労働者の日常に思いを馳せ、彼らの夢実現の一役を担うことができます。アラブの著名人も多数足を運んだといいます。
“夢のキャンバス”はわずか9日間で完成。打ち込まれた釘は17,793本に上りました。
参加した人々の国籍は実に55か国にもおよび、インターネットで多くの話題を呼んだ他、テレビやラジオ等メディアにも多数取り上げられ、実質コストゼロのチャリティーは40万米ドルもの宣伝効果をあげることに成功しました。
今回完成した1枚の“釘絵”で約20人の子供の教育を賄うことができるといいます。今回の成功を機に、今後も各地で“釘絵”チャリティーを展開していく予定だといいます。
動画はコチラ
参考サイト
Creative Criminals
http://creativecriminals.com/smartlife-foundation/project-sapna-a-story-of-17-793-nails
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