南米のビールブランドが真夏に仕掛けた前代未聞のPR “ビール味のアイスクリーム”を開発
Case:It’s ice-cream, but it’s skol.
ブラジルの大手ビールブランド・Skol Beerが、ビールの売れ行きが最も伸びる“夏”(1月~3月)に、これまで以上にターゲットに想起されやすいブランドになるために仕掛けたプロモーション。
ブラジル人が愛してやまない2種類のもの、すなわち“ビール”と“アイスクリーム”を合体させて、『ビール味のアイスクリーム』を開発して販売するという取り組みを実施。
この取り組みは300件以上のパブリシティを獲得し、ローンチからわずか1日で4億8千2百万PVのリーチに至り、Facebookでの公式ポスト6件から20万件超のリアクションを得たそうです。
アイスクリームの実際の売れ行きはどうだったかというと、ターゲットである若者のインサイトをものの見事に捉え、用意した10,000個は瞬く間に売り切れとなりました。
このプロモーションが功を奏して、Skol Beerは大手雑誌社が手掛けるブラジル国内で“最も価値あるブランドランキング2013”にも選出されたそうです。
一見奇抜で破天荒な施策に思えますが、考案した人の思考回路を推測で辿ってみると、『ターゲットが大好きなもの2種類を合わせることで、1つだけよりもターゲットにもっと近づけるのではないか!? それに新しく作る商品が斬新であればPRでも好意的な論調で話題になるじゃないか!!』という、実にシンプルで合理的な発想をしていることに気付かされます。
なお、このアイスクリームの開発には6ヶ月間かかり、その間にビールの量などの調節で12個の試作品を作ったそうです。“PR用の商品”と言えども、この周到さが素敵です。
PR視点での商品開発の一例ですが、“パワフルなPRコンテンツ”を創出するには、アイディアだけでなく、時には一般的な『新商品の開発』と同様に、ある程度の“時間と労力もかける必要がある”ということを如実に物語るケースでした。
参考サイト
Ads Of The World
http://adsoftheworld.com/media/ambient/skol_beer_its_icecream_but_its_skol
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