Dove、デザイナーにフォーカスした“リアル・ビューティー”キャンペーン『本当の美しさはレタッチされたものではない!』
Case:Thought Before Action
全ての女性が自分らしくポジティブに生きることを応援するブランド「Dove」は、数年前から現代人の美に対する認識に警鐘を鳴らす“Real Beauty”キャンペーン(『evolution』というバイラル動画が特に有名)を展開していますが、今回このキャンペーンをより進化させた挑戦的なアクション「Thought Before Action」をカナダで実施しています。
今回の第一のターゲットは、『作られた女性の美』に関係の深いアートディレクター、グラフィックデザイナー、フォトレタッチャーたち。
Doveは、“女性の本当の美しさ”について示唆する写真画像をPhotoshopのアクションに隠して、ターゲットがよく利用する「Photoshopのアクション事例が無料で100種類ダウンロードできるサイト」にアップして、ダウンロードを促します。
※Photoshopのアクションとは、Photoshopでの一連の画像加工作業を記憶しておいて、必要な時に再利用できるようにする機能のこと。以下のように加工前と加工後の画像が併記されていて、この加工が一瞬のうちにできてしまうアクションのことです。
DoveがアップロードしたPhotoshopアクションの写真画像は以下。パッと見は、女性の肌の色を明るくしたアクションのように見えます。
ところが、ダウンロードしたターゲットが実際に画像をPhotoshopで開くと、アクション欄には「glow」(明るくする)などではなく、「Beautify」(美しくする)の選択肢があります。
「Beautify」というアクションを実行すると、Doveが加工する前の一番始めの状態に写真が戻ります。
下記2点の写真画像をご覧の通り、女性の腕やウエスト、太ももなどが太くなり女性の素の姿に戻ります。
同時に左上には、「Do not manipulate our perceptions of real beauty.」(“本当の美しさ”というものに対する人々の認識を操作しないで)というメッセージが表示されて、キャンペーンの種明かしになるという仕掛けです。
体を不自然に痩せさせたり、整形などするのではなく、その人の素のままの健康的な体が“本当の美しさ”ですよとコミュニケートしています。
グラフィックデザイナー、フォトレタッチャーなどターゲットの人たちに直接メッセージを発信するよりも、Photoshopのアクションに“その意図”を隠してサプライズで訴求することで、腹落ちさせようとする狙い。考え抜かれたクレバーな仕掛けですね。
その他Doveが手掛けている「Real Beautyキャンペーン」に関心のある方はコチラからどうぞ!
動画はコチラ
参考サイト
・Ads Of The World
http://adsoftheworld.com/media/online/dove_thought_before_action
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