作品を見せないからこそ見たくなる Andy Warhol MuseumのOOH

アメリカ・ピッツバーグにあるThe Andy Warhol Museumが、作品を一切掲載しない広告キャンペーン「See It at The Warhol」を展開しました。

ビルボードに大きく書かれているのは、「Soup can.」「Shiny balloon.」といったシンプルな言葉。前者は代表作「Campbell’s Soup Cans」、後者は銀色の風船状のオブジェが浮遊する「Silver Clouds」を指しています。

通常、美術館の広告では代表的な作品を見せて来館を促しますが、今回はその逆。Warholを知っている人なら「Soup can.」という言葉だけでも、あの有名なスープ缶の作品が頭に浮かぶでしょう。作品そのものではなく、人々の記憶や想像力を広告の一部として活用しています。

一方、作品を知らない人にとっては「Soup can.だけの広告は何だろう?」という疑問が生まれます。そして広告の隅には、「Words don’t do it justice. See it at The Warhol.」(言葉だけではその魅力を伝えきれない。The Warholで見てほしい)というメッセージが添えられています。

制作を担当した広告会社も、作品を見るためのチケットを宣伝する広告で、その作品を写真で見せることに違和感があったと説明しています。そこであえて作品を取り除き、「本物を見る」という美術館ならではの体験に焦点を当てました。

作品の知名度を利用しながら、知らない人には好奇心を生み出す。どちらの層にも「実物を見てみたい」と思わせる仕掛けになっています。

作品を見せて魅力を伝えるのではなく、あえて見せないことで実物への興味を高める。情報を削ぎ落とすことそのものを来館の動機に変えた、シンプルながら巧みな広告事例です。

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