退屈な保険広告をコメディに変える GEICOの保険CM戦略
アメリカの保険会社GEICO(ガイコ)が、新しいテレビCM「Feels as Good as Hammer Time」を公開しました。
映像は大工とGEICOのマスコットキャラクター・Geckoとの会話から始まります。
「保険料を節約できるのはどれくらい気分がいい?」と聞かれた大工が「いいハンマーを持っているくらい気分がいい」と答えると、突然MC Hammerの大ヒット曲「U Can’t Touch This」が流れ出します。
MC Hammer本人も登場し、「Hammer Time!」の掛け声とともに大工たちが一斉にハンマーを振り始めるというコミカルな展開です。

このCMの特徴は、ノスタルジーとブランド資産を掛け合わせた設計にあります。使用されている楽曲「U Can’t Touch This」は1990年代を代表するポップソングのひとつ。現在30〜50代の世代には青春時代の記憶と結びついた楽曲です。
車の保険を実際に契約・更新することが多いのもまさにこの世代。GEICOは保険の主要購買層に刺さるカルチャーを意図的に選び、共感を生み出す設計にしていると考えられます。
さらに注目したいのが、1999年から登場しているマスコット「Gecko」の存在です。26年以上広告に登場し続けてきたキャラクターと90年代ポップカルチャーを掛け合わせることで、ブランドの親しみやすさと懐かしさを同時に引き出しています。
長年積み上げてきたブランド資産を、ノスタルジーとともに再活用している点も興味深いところです。
保険というカテゴリーは、価格や条件などの説明が中心になりやすく、広告としては退屈になりがちな領域です。GEICOは長年、コメディやキャラクターを使ったエンターテインメント型の広告でこの課題を乗り越えてきました。
退屈になりがちなカテゴリーほど、エンタメ性を取り入れることで広告の記憶性は高まります。本作はその好例といえるでしょう。
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