アナログメディア回帰がカフェ文化を変える? カセットテープカフェが渋谷にオープン
デジタル配信で音楽を聴くことが当たり前になった昨今、あえて「不便さ」を楽しむカルチャーが広がりをみせています。CDやレコード盤、カセットテープといった音楽を収録するフィジカル(物理)/アナログメディアを再評価するという世界的な潮流です。

東京・渋谷に2025年12月17日(水)に日本初のカセットテープ専門カフェ「CASSE(カッセ)」がオープン。レコードカフェ「RECOCO」の姉妹店として誕生する同店は、棚から選んだテープを、各席に備えられたカセットプレーヤーとヘッドホンで再生し、音楽を楽しむコンセプトカフェです。

開店の背景には、英・米・日でのカセット販売数の増加があると、CASSE運営事業者にあたる株式会社ポムは伝えています。ストリーミング世代が「手触り」や「機器を操作する行為」に新鮮さを感じ、アナログならではの没入感を求めていることに着目したようです。
また、レコードカフェは韓国で人気のカフェ業態。CASSEの姉妹店であるRECOCOは、韓国式レコードカフェからインスパイアを受けて、下北沢と渋谷での店舗展開を行っているようです。
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少し毛色の違うアナログ回帰の事例としては、2021年に開業したMUSTARD™ HOTEL SHIMOKITAZAWA(東京都世田谷区)が挙げられます。同ホテルでは、すべてのゲストルームにレコードプレイヤーが備えられました。「シティポップ」と称されるJ-POPジャンルが海外リスナーに“発見”されたことや、アナログレコードブームなどを受けて訪日観光客をターゲットにしています。
ここでは、ゲストが“レコードディグ”で手に入れた音源を楽しむことはもちろん、下北沢のレコードショップ「Jazzy Sport」がセレクトしたレコードを借りて聴くことができます。
こういった動きは、国内外を問わずMZ世代にとってあまりポピュラーではないメディアを「レトロ」枠に閉じ込めず「アナログ回帰×体験価値」を軸に、ブランドの世界観を体験として届ける試みかもしれません。音楽再生媒体であるカセットやレコードを、オシャレでポップ、温かみを感じるガジェットとして「選ぶ」「触れる」体験をもたらします。
CASSEは、アパレルやオリジナルグッズの展開も予定されており、カルチャー体験をライフスタイルに広げるアイデアも温めているようです。
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