組み合わせは27万通り以上! オリジナルハンバーガーを作れる食体験「はてなバーガー」

任天堂株式会社が2024年10月2日(水)に開業した京都府宇治市の「ニンテンドーミュージアム」。1969年から2016年まで使われていた任天堂 宇治小倉工場をリノベーションした任天堂株式会社の広報施設です。任天堂が生みだしてきた娯楽の歴史と、独創を大切にしたものづくりへのこだわりを、発売した数多くの製品展示などから知り、体験できるミュージアムとなっています。

そんなニンテンドーミュージアム内にあるカフェ「はてなバーガー」は、株式会社スマイルズが業態開発、コンセプトメイキング、空間デザイン、オーダーシステムにおけるキャラクターデザイン、商品開発、体験設計、各種制作物のデザインやクリエイティブ、PR、運営を担当しています。

はてなバーガーは、店舗空間の端々に任天堂宇治小倉工場からの歴史をつなぎ、任天堂の歴史やものづくりの考え方に着想を得てスマイルズが生み出した、一風変わったハンバーガーショップ。ミュージアム内の展示とあわせて、カフェでも「娯楽」にふれてほしいという思いが込められています。

オリジナルのハンバーガーを自由に作ることができるため、任天堂の「スーパーマリオ」シリーズに登場する「はてなブロック」(叩くまで何が出てくるかわからないブロック)になぞらえて名付けられました。

はてなバーガーでは、1人ひとりの遊び心があふれるオリジナルハンバーガーを作ることができます。バンズ3種類、メイン5種類はダブルサイズを含めると10種類、そしてトッピング11種類は3つ選択可能となっていて、ソース7種類から選択できることから、その組み合わせは27万通り以上。

トッピングには、京都ならではの食材となる、九条ねぎや万願寺とうがらし、しば漬けなども選ぶことができます。ハンバーガーの素材をそれぞれ組み合わせていくプロセスは、まるでゲームのキャラクターメイキングのようです。

見慣れた料理も、ハンバーガーに応用すれば新しい料理に様変わりします。はてなバーガーでは、日本の定番料理「すきやき」「親子丼」「西京焼き」をイメージした具材をバンズに挟んで楽しめます。

展示の合間にゆっくりと時間を過ごせるように、ドリンクとしてピーチとベリーの甘酸っぱいドリンク「ピーチ&チーズ」、明治12年創業の宇治茶の老舗・堀井七茗園の抹茶を使った「グリーンティーフロート」なども提供。

さらに、ゲームをモチーフに、遊び心あふれる「3つのステージ」がある店内にさまざまな仕掛けも潜んでいます。工場の名残を感じる「バーガーファクトリー・ステージ」を抜けると、次はゲームフィールドをモチーフにした「バーガーショップ・ステージ」へ。いちばん奥には、80年代の喫茶店を思わせる「ノスタルジック・ステージ」が展開され、任天堂宇治小倉工場で使われていたコンテナやパレットを再活用したベンチや、アフォーダンステーブルの設置、キャラクターをモチーフにした小さな展示が点在しています。

27万通り以上もの組み合わせを提供している、はてなバーガー。世界的ブランドとなった任天堂の「スーパーマリオ」シリーズに登場する「はてなブロック」のコンセプトを体現している体験ショップとなっています。これまで同社が培ってきた娯楽の歴史と脈々と紡がれてきたものづくりの想いを発信する広報施設に、展示を楽しむ合間の時間も世界観が途切れさせることなく堪能できる空間作りがされています。

すでに認知は浸透しているブランドだからこそ、その魅力を損なわずにさらなるブランディング発信をしていくことは難しいものもありますが、歴史を振り返りつつ遊び心とともに未来に向かう姿勢を巧みに表現している事例といえそうです。

その他のブランディング事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=27
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る