“未完成”を育てるアートフェス「クジラ・ダ・アンヌアーレ」|姫路・ザッパ村

兵庫県姫路市の複合拠点「ザッパ村」で、地域とアートの共創をテーマにした参加型イベント「クジラ・ダ・アンヌアーレ」が2025年9月23日(火・祝)に行われます。このイベントでは、全長12.7メートルのクジラ型モニュメント「クジラダ・ファミリア」を舞台に、選ばれたデザインを来場者が共同でペイントするといいます。

©株式会社ZAPPA/ZAPPA Co.,Ltd

景観課題の解決や公共空間の活用、アーティストの挑戦機会の創出を目的として2023年度から行われているというこのイベント。クジラダ・ファミリアとは、スペイン・バルセロナのサクラダ・ファミリアに着想を得たという“未完成”の噴水モニュメントです。“未完成”となる所以は、毎年異なるデザインが施されること。地域の記憶と創造力が積み重なっていく「年輪アート」として育てているそうです。

これまで作り続けてきた様子

ザッパ村は、自然素材の衣料品や雑貨、カフェ、音楽教室、就労支援施設などが集まる複合施設で、地域の人びとがものづくりや交流を楽しめる空間。

このイベントは象徴的なモニュメントを「未完成のキャンバス」として育てることで、地域資源に物語性を持たせ、ブランド資産としていることがわかります。さらに、来場者が実際にペイントに参加することで、地域との心理的な距離を縮め、愛着や再訪意欲を高める効果が期待できます。

開催してきた「クジラ祭り」が芸術祭「クジラ・ダ・アンヌアーレ」へ

毎年異なるデザインが施される「年輪アート」のコンセプトは、地域の時間軸を可視化するもので、継続的な記憶の蓄積を通じてブランド価値を育てます。また、播州織の洋服や地元食材を使ったランチ、綿繰り体験などを行うことで、地域文化や産業との連携を図りました。

地域の資源・人・文化・時間を統合し、体験を通じてブランド価値を育てる設計がなされた、地域ならびに施設ブランディングの実践事例といえそうです。

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