キース・へリングの遺志を後世に伝える「平和と自由」をめぐる特別企画展
終戦から80年の夏を迎える2025年。「昭和100年」をキーワードに、過去を振り返ることが盛んに行われています。一方で戦争経験者の減少や、終戦から復興にかけての記憶が風化しつつあることなども理由でしょうか……戦争をめぐる話題は、そこまで見受けられない印象です。
戦後80年の節目の夏を迎えたとして、中村キース・ヘリング美術館(山梨県・小淵沢)では、ストリートアートの先駆者キース・ヘリング(1958年ー1990年/没年は和暦で平成2年にあたる)が、“HIROSHIMA”に捧げた作品や活動を通して平和と自由について考える特別企画を実施します。
ヘリングと広島との関係は、1988年にさかのぼります。原爆養護ホーム建設のためのチャリティーコンサート「HIROSHIMA ’88」のメインビジュアルを手がけたことを機に広島を訪れたヘリングは、この体験以降自らの作品に平和への強いメッセージを込めるようになったといいます。
特別企画では、このコンサートのために制作した3種類のポスターを月替わりで展示。同時に館内の「オープンスペース」(入館料無料)で、広島訪問の記録や背景を紹介する映像「キース・ヘリングが見た広島」を上映します。
アーティストとして、1人の人間としてヘリングが広島と向き合った姿を伝える映像です。
さらに、次世代を担う子どもたちに向けた取り組みも行われます。8月6日(火/広島原爆の日)、9日(金/長崎原爆の日)、15日(木/終戦記念日)の3日間、15歳以下の来館者にワークブック『キース・ヘリングと平和を描こう』を無料配布。
このワークブックは、1980年代の反戦・反核デモへの参加した際の作品や、広島への訪問、世界各地の子どもたちとの共同制作などを通じて、平和や自由のメッセージを発信し続けたその活動をわかりやすく伝えます。
アーティストの作品と遺志を引き継いだ活動を行うことを目標に、国際児童絵画コンクールの開催やHIV/エイズや感染症、SDGsやLGBTQ+に関すること、戦争と平和や環境問題についての啓発活動を行う中村キース・ヘリング美術館。
31年という短い生涯で、生み出された作品に込められた平和と自由への願い、平和と自由の価値を訴え続けたキース・へリング。次世代にその遺志を継承する使命を、戦後80年の節目に果たそうとする特別展示が行われています。
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