足元からアピール!豊中市上下水道局が「マンホール蓋広告」をスタート

大阪府豊中市の上下水道局が、日常生活の“足元”に着目したユニークな広告施策をスタートさせました。街中で見かけるマンホール蓋を広告スペースとして有料で提供する新事業で、広告代理店を介して運営される点が特徴的です。

初回の設置は2025年7月2日(水)。阪急宝塚線・庄内駅西側に位置する「庄内WESTショッピングストリート」に、5枚の広告入りマンホール蓋が登場しました。

駅チカ×生活動線=高接触メディアとしてのマンホール蓋

今回の広告が設置された庄内WESTショッピングストリートは、駅からのアクセスも良好で、生活動線上にあるという商店街です。

従来の広告と違い、視線の高さや目線の移動を計算する必要はなく、あえて目を引く色やキャッチコピーでインパクトを与えることも可能。色鮮やかなデザインや企業ロゴが施されたマンホール蓋は道行く人々の注意を引きそうです。

地域密着型企業のブランディングにも貢献

今回、広告を出稿しているのは、地元で事業を展開するクリニックやリフォーム会社など。看板やチラシといった従来の広告手法と比較すると、“生活動線上の視認メディア”として、マンホール蓋を活用することで地域住民の記憶に残りやすく、企業の認知拡大にもつながりそうです。

また、チラシのように手に取らせたり、ポスターのように掲示場所に誘導したりする必要もありません。歩いていれば自然と目に入る、というストレスのない広告接触が可能です。

長期掲出で街並みの一部に

広告掲出期間は最長で2030年(令和12年)3月31日(月)まで。掲出先の希望に応じて2年間単位での契約となっており、長期的なブランディングにも適しています。期間が長くなるほど、その広告は地域の“風景”として溶け込み、住民の記憶にも定着しやすくなるはずです。

また、広告掲出に関する業務は契約広告代理店の長田広告株式会社が一括で担っており、広告主側の負担が少ないことも魅力のひとつ。原稿作成から掲出・管理・撤去までワンストップで対応可能な仕組みとなっています。

広告だけでなく自治体の財源確保という側面も

本施策の背景には、自治体が抱える収入確保の課題もあります。上下水道の安定運営を維持するには一定の収入が必要であり、税収や使用料に依存しない新たな収入源の確保が求められていました。今回のマンホール蓋広告は、その解決策のひとつとして機能しています。

広告主からの出稿料の一部は、下水道占用料や広告料として市に納められる仕組みになっており、まちのインフラ維持を支える財源にもつながっています。

ローカルマーケティングに新たな選択肢を

現時点で9件中2件が募集中となっており、今後は広告効果の検証を行いながら設置エリアの拡大なども検討されていく予定。観光地や駅周辺の人通りが多いエリアへの拡張だけでなく、地域イベントとの連動や期間限定デザインなど、さらなる展開の余地もありそうです。

街の風景を変えずに、自然な形で企業メッセージを届けるマンホール蓋広告は、従来の枠にとらわれないローカルマーケティングのあり方として、他地域への広がりにも期待が集まりそうな広告手法です。

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