家族愛イメージを強化。発売55周年を迎える花王「メリット」がリブランディングを実施
花王株式会社はヘアケア事業変革の一環として、主力ブランド「merit(メリット)」をリブランディングし、新たに「家族愛シャンプー」をブランドコンセプトとして掲げました。このリブランディングにより、「merit」と「merit kid’s」は2025年3月25日(火)に改良新発売されます。
メリットは発売から55周年を迎えるロングセラーブランドとして、家族全員で安心して使えるシャンプーという価値を提供してきました。今回のリブランディングでは、その価値をさらに強化し「やさしさ・安心感・清潔」を届ける“家族愛”ブランドへと進化しています。
ヘアケア事業変革の一環としてのリブランディング
花王は「髪の生きる力を、人の生きる力へ」という事業ビジョンを掲げ、ヘアケアブランドの再編を進めています。ブランドを単なる製品提供の枠を超えて、消費者の「感情ニーズ」に応える存在へとシフトさせることを重視しており「merit」のリブランディングもその一環です。
ヘアケア市場は「ハイプレミアム(1,400円以上)」と「マス(プレミアムマス/リーズナブルマス)」に分類されており、「merit」はマス市場における主要ブランドの一つとして長年愛されてきました。
今回のリブランディングを通じて、マス市場における花王のヘアケアブランドの存在感をさらに強化し、より幅広い消費者層に訴求していくことを目指しています。
「家族愛」ブランドへの進化
「merit」は従来から、家族全員が使えるシャンプーとして認知されてきました。しかし今回のリブランディングでは、「家族向けシャンプー」からさらに一歩踏み込み、「家族のやさしさや安心感を象徴するブランド」へと進化しています。
コロナ禍以降、人々のライフスタイルや価値観が変化し、「家族との時間を大切にしたい」「安心して使える日用品を選びたい」と考える消費者が増えました。こうした背景を受け、メリットは“家族愛”をテーマに掲げ、ブランドのメッセージをより強固なものへと昇華させています。
花王は今回のリブランディングに際し、改めて「merit」のターゲット層を再定義。メリットが想定する主なお客様は「自然体で思いやりにあふれた生活をしたい」「家族とのつながりを大切にしたい」「やさしさや安心感を大切にしながら製品を選びたい」と考える人々です。
彼らのライフスタイルや感情ニーズに寄り添う形で、商品やブランドメッセージが再構築されています。
パッケージデザインの刷新
今回のリブランディングでは、パッケージデザインも大きく変更。丸みを帯びたボトルのフォルムはやさしさや安心感を象徴し、シンプルでやわらかい色合いを採用することで、親しみやすさと洗練された印象のバランスを取っています。
「merit kid’s」シリーズは、子どもたちが手に取りやすいようポップな色合いを取り入れ、遊び心のあるデザインとすることで、通常ラインとの違いを明確にしました。
このパッケージデザインの刷新は、単なる見た目の変化にとどまらず、ブランドが持つ「やさしさ」と「家族への思い」を視覚的に伝える役割も果たしていそうです。
改良された商品ラインナップ
リブランディングに伴い、「merit」シリーズの処方も大きく改良されました。有効成分として植物由来の甘草エキス(グリチルリチン酸ジカリウム)を配合し、髪と地肌を健やかに保ち、フケやかゆみを防ぎます。
さらに、うるおい成分(保湿)として5つの植物由来エキスとフルーツ酸を配合し、よりやさしい洗い心地を実現しました。パラベンフリー・合成着色料フリー・ノンシリコーン処方(シャンプーのみ)を採用し、家族全員が安心して使用できる処方となっています。
また「merit kid’s」シリーズでは、子どもが使いやすい「泡で出てくるシャンプー」や「リンスのいらない泡シャンプー」を新たに追加。さらに、外遊びやお昼寝後に汗をかいた子ども向けに、「あたまさっぱりシート」も新発売されました。
これらの商品は家族それぞれのニーズに寄り添いながら、より快適なヘアケア習慣を提供してくれるでしょう。
「家族と愛とメリット」CMシリーズと広告展開
商品の改良に加え、広告戦略も大幅に強化されています。2024年春から放送されている「家族と愛とメリット」CMシリーズでは、家族の愛情や日常の温かさをアニメーションで描き、多くの共感を集めました。
エレファントカシマシの「今宵の月のように」をカバーした楽曲を使用し、感動的なストーリーを演出。SNS上でも「こんなんオンオン泣くよ」「育児ってこういうことの繰り返しだよね」といった感想が寄せられ、話題を呼んでいます。
また、東京・大阪・名古屋・札幌・仙台・広島・福岡など主要都市での交通広告も展開し、ブランドメッセージの認知度を高めました。これにより、消費者が日常のさまざまな場面で「メリット」を目にし、その価値を実感できる機会が増えています。
リブランディングの意義と今後の展望
今回のリブランディングは、単なるパッケージや処方の変更だけでなく、「家族愛」という感情価値をブランドの中核に据えることで、より多くの消費者の共感を得られそうな施策。「家族向けシャンプー」としての立ち位置を維持しながらも、「家族の愛を支えるブランド」へと進化し、より深いブランド体験を提供することを目指していることが伺えます。
花王は今後も「merit」を“家族愛”ブランドとして育成し、日本中の家族に寄り添う存在へと成長させていく方針とのこと。リブランディングを通じて、「メリット」がこれからも家族の日常に欠かせないブランドであり続けることが期待されます。
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