東武日光駅に高さ180cmのチョコレートオブジェ登場!日光市の新プロジェクトとは

栃木県日光市では地域の魅力を再発見し、新たな光を当てるブランディングプロジェクト「NEW DAY, NEW LIGHT. 日光」を推進中。その一環で「和魂洋才」という日光ならではの歴史と文化を発信する手段として「チョコレート」に着目し、市内の経済活性化と観光誘客促進を目的とした「CHOCOTTO NIKKO(ちょこっと日光)」を展開しています。

日光の和魂洋才とチョコレートの意外なつながり

日光は江戸時代の歴史的建造物が残る「和」の文化と、明治時代以降に外国人が避暑地として愛した「洋」の文化が融合した土地。とくに中禅寺湖畔は明治時代から昭和初期にかけて外国人外交官が別荘を構え、チョコレートを嗜みながら過ごした国際的な避暑地として栄えました。

こうした歴史を踏まえ「CHOCOTTO NIKKO」は和魂洋才の精神を「チョコレート」という象徴的なアイテムを通じて発信するブランディング戦略を採用。日光が持つ伝統的な魅力を損なうことなく現代の観光トレンドと組み合わせることで、新たな視点からのアプローチを実現しました。

「歴史的観光地」という従来のイメージに加え、「モダンな和洋融合の街」としての新たなブランド価値を創出しようとしています。

フォトジェニックな仕掛けでSNSでの話題性を最大化

近年の観光施策では、SNSでの拡散が鍵を握るようになっています。「CHOCOTTO NIKKO」ではこの点に着目し、東武日光駅に高さ180cm、幅80cmの巨大チョコレートオブジェを設置。一部が取り外し可能な仕様になっており、訪問者がその部分を持って撮影できる仕掛けが特徴的です。

訪れた人々が思わず写真を撮りたくなるような工夫を施すことで、SNSを通じた自然な拡散が期待されます。さらに駅構内全体もチョコレートをテーマに装飾されており、特別な雰囲気を演出。視覚的に魅力的な空間を作ることで、観光客に「ここでしか味わえない体験」を提供しています。

多面的な施策による観光体験の深化と地域活性化

「CHOCOTTO NIKKO」は駅でのオブジェ設置だけにとどまらず、特急列車内での音声ナレーション放送、チョコレートメニューコンテスト、トークライブなど、複数の施策を組み合わせることで、観光体験の幅を広げています。

東武鉄道との連携により、特急列車(スペーシアXなど)の車内で「CHOCOTTO NIKKO」の特別音声ナレーションを放送する取り組みは、観光地に到着する前から「日光とチョコレート」の印象を強める効果があるもの。

市が特急列車の車内で音声ナレーションを活用したプロモーションを実施するのは初めての試みであり、鉄道利用者へのアプローチとしても効果的でしょう。

また、「にっこり日光チョコメニューコンテスト」では、市内の飲食店と連携し、チョコレートを活用した新メニューを開発。これにより地域の食文化を活かした観光体験を提供し、地元住民にも「チョコレート=日光」という意識を浸透させられそうです。

本施策がもたらす観光ブランディングの効果

「CHOCOTTO NIKKO」の実施により、冬季の観光需要の喚起が期待されています。観光需要が落ち込みやすい2月から3月にかけて、「バレンタイン」「ホワイトデー」といったチョコレート需要の高まる時期に合わせたプロモーションを展開することで、冬の日光観光の活性化を図ります。

また、地元の飲食店や企業との連携により、市内全体の経済活性化にもつながる予感。特産品としてのチョコレートの認知度が向上することで、今後、土産物やスイーツ市場の拡大も期待されます。

さらに、長期的なブランド価値の向上も見込まれます。「日光=歴史的観光地」という既存のイメージに加え、「日光=チョコレートの街」「和洋文化の交差点」としての新たなブランド認知が広がることで、今後の観光振興においても大きな役割を果たしていくでしょう。

観光ブランディングの新たな形としての「CHOCOTTO NIKKO」

「CHOCOTTO NIKKO」は、歴史・文化・食を組み合わせたユニークなブランディング施策として注目される取り組み。和魂洋才の文化を活かしながら、新たな視点で日光の魅力を発信することで、観光客の増加、地域経済の活性化、ブランド価値の向上を目指しています。

今後もさらなる発展が期待されるこのプロジェクトに多くの人々の関心が寄せられること必至の、注目を集める施策でした。

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