映画、アニメ、ドラマの“聖地”を起爆剤に地域活性! 2024年の8事例まとめ

映画やアニメ、ドラマなどの作品世界の舞台となった場所を聖地として訪れることは、もはや珍しくなくなりました。

そんな「聖地巡礼」は、地域活性化の起爆剤として活動効果が実証されつつあり、その活動の領域もますます広がっているようです。

今回は、「なるほど、その手があったか」という気づきのある施策をピックアップ。各地の「聖地巡礼」施策を8事例まとめてお届けします。

1.  TVアニメ「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」で沖縄県うるま市を共に盛り上げる「アニメふるさと納税プロジェクト」開催決定!

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』のTVアニメ化を記念し、沖縄生まれの総合エンターテインメント創造企業、㈱あしびかんぱにーが企画・運営する「ふるさと納税型クラウドファンディング」が、2024年12月13日(金)より開始されました。これに伴って、クラウドファンディングの専用サイトが公開され、返礼品グッズの内容など詳細情報も公表されています。

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(沖ツラ)は、沖縄県うるま市を舞台に、沖縄へ転校してきた中村照秋(てーるー)と、同じクラスの喜屋武飛夏(ひーなー)、比嘉夏菜(かーなー)が織りなす、沖縄の日常やあるあるを描いた異文化恋愛群像劇です。

アニメでは、うるま市の観光名所やビーチ、沖縄の街並みが忠実かつていねいに描かれており、キャラクターたちが実際にうるま市にある施設を利用する描写が含まれています。

今回のクラウドファンティングは、そんな『沖ツラ』が2025年1月よりアニメ化されることの決定をうけ、舞台となる沖縄県うるま市と連携したコラボプロジェクトとして、地域の観光促進を目的として実施されることになったものです。

関連リリースはこちら

2. 新春初笑い!桑名フィルムコミッション×よしもと 映画『アイミタガイ』ロケ地巡りバスツアー

黒木華さん主演による映画『アイミタガイ』の舞台となった三重県桑名市で1日限定のスペシャルなバスツアーが開催されました。このバスツアーは、映画に出演した吉本興業所属の水玉れっぷう隊・ケンさんをはじめとする4名の芸人が撮影秘話や映画の再現シーンを交えながら、心温まる『アイミタガイ』の町を楽しく案内してくれるというもの。

映画『アイミタガイ』には郷田夫妻が三重交通の路線バスに乗るシーンが登場します。今回のバスツアーでは観光バスではなく、映画で使われた三重交通の路線バスを貸し切ってロケ地をめぐります。

桑名駅前のシーンは、昭和レトロな雰囲気が漂う「桑栄メイト」の入口前で撮影されました。この桑栄メイトは、現在は閉館されていますが、かつてはそのレトロなたたずまいから「昭和遺産」として知られ、巡礼に訪れる人も多くいたといいます。今回のツアーでは、そんな封鎖された桑栄メイトの内部も特別公開されました。

それぞれのロケ地では映画のシーンを再現するほか、映画に登場した素敵なレストランでの豪華ティータイムや映画にちなんだお土産も用意され、映画の世界に浸れる特別な1日を過ごすことのできるツアーとなりました。

関連リリースはこちら

3. “品川でちょいロケ。濃いロケ。”を合言葉に「しながわロケ地巡りキャンペーン」を開催

品川区は2024年11月16日(土)から2025年2月2日(日)までの期間、「しながわロケ地巡りキャンペーン」を開催しました。

こちらのキャンペーンは、ドラマのロケ地となった東京都品川区内の対象スポットを訪れて、写真を撮影し、X(旧Twitter)に投稿すると、抽選でロケ地になった天王洲のレストラン食事券やしながわ水族館、品川区内共通商品券などが当たるというもの。

品川区は平成29年度より映像等を制作する方向けに区内での撮影を支援するフィルムコミッション事業「しなロケ」を実施しています。旧東海道の街並み、カメラ映えするウォーターフロント、下町人情が薫る商店街など、さまざまな表情が隣り合い、交通アクセス抜群の品川区は、手軽な ‘ちょいロケ’ にも、じっくりと長期にわたる ‘濃いロケ’ にもおすすめです。

そこで、「品川でちょいロケ。濃いロケ。」を合言葉に、品川ならではのロケーションをPRする施策も実施、品川区のフィルムコミッションを推進しています。今回のキャンペーンはその活動をより広く認知するための施策でした。

関連リリースはこちら

4. Netflixシリーズ「さよならのつづき」×JAL国内線機内限定サービスを開始

JALは、動画配信サービスのNetflixにて有村架純さんと坂口健太郎さん主演ドラマ「さよならのつづき」とコラボレーションした機内サービスを2024年12月1日(日)より開始しました。

2025年2月28日(金)までの対象期間中、国内線では本ドラマをイメージして作られた限定のコラボコーヒーを提供するほか、ドラマ主演のお二人によるオリジナル機内アナウンスや機内限定のスペシャル映像、機内誌SKYWARD特集を楽しむことができます。

本ドラマはコーヒーがキーアイテムとなっていて、劇中のコーヒー描写を「JALコーヒーディレクター」のミカフェート代表取締役のJosé.川島良彰さんが監修していることから、今回のコラボレーションに至ったといいます。話題作とのコラボレーションによって、搭乗のお客さまに心弾む特別な機内体験を提供しています。

関連リリースはこちら

5. 五島市が映画のロケ地に!『劇映画 孤独のグルメ』タイアップ企画実施

五島市がロケ地のひとつである『劇映画 孤独のグルメ』が2025年1月10日(金)に公開。本作は、テレビ東京開局60周年記念特別企画として、俳優の松重豊さんが主演、脚本、監督を務める作品。映画の舞台はフランス・パリ、韓国、東京、そして長崎県五島市となっています。

主演の松重豊さんほか、内田有紀さん、磯村勇斗さん、杏さん、オダギリジョーさん、塩見三省さん、村田雄浩さんなど豪華キャストに加え、主題歌をザ・クロマニヨンズが担当する話題作です。

そこで五島市では、『劇映画 孤独のグルメ』公開記念としてタイアップ企画を展開。ロケ地探訪マップを制作し、市内の観光施設などで配布するほか、抽選でムビチケや映画非売品グッズ等が当たるSNSキャンペーンを実施することとなりました。

関連リリースはこちら

6.  YouTube作品で異例の快挙!友近主演の話題作とともに今治市が「第15回ロケーションジャパン大賞」に初ノミネート

今治市は、タレント・友近さんが主演するYouTube作品「友近サスペンス劇場 外湯巡りミステリー・道後ストリップ嬢連続殺人」のロケ地として、「第15回ロケーションジャパン大賞」にノミネートされました。これは、YouTube作品として初めてのことで、作品の話題とともに今治市の美しい風景と独特のロケーションが全国的な注目を集めています。

「友近サスペンス劇場」は、友近さんの地元愛媛県を舞台に、ノスタルジックな雰囲気で1980年代のサスペンスドラマを再現した作品です。YouTubeチャンネル「フィルムエストTV」で公開され、約1時間半という長尺にもかかわらず、2か月間で再生回数は360万回を超えるなど大きな反響を呼んでいます。

この作品でロケが行われた今治市の伯方島は、瀬戸内しまなみ海道がかかる風光明媚な景勝地です。一方で、生活を支える造船や海運、そして誰もが知っているCMで有名な“塩”の島です。そのロケーションは、瀬戸内海の豊かな自然景観の中に雄大な人工建造物が架かるという世界で唯一無二のものです。今回のノミネート作品では、サスペンスドラマにお約束の“崖”のシーンでも伯方島が登場。緊迫感のあるシーンの背景で、瀬戸内の多島美が映える仕上がりとなっています。

関連リリースはこちら

7. 映画「好きでも嫌いなあまのじゃく」×山形県山形市、山形県米沢市が「第15回ロケーションジャパン大賞」にノミネートされました!

“ロケ地でもっと、ワクワクする旅!”を合言葉に、国内の映画・ドラマの舞台、ロケ地を応援する雑誌「ロケーションジャパン」が実施する、2024年に地域を盛り上げた作品とその地域を顕彰する「ロケーションジャパン大賞」のノミネート作品・地域が決定し、「アニメ映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』×山形県山形市、山形県米沢市」がノミネートされました。

映画『好きでも嫌いなあまのじゃく』については、アニメーション制作スタジオ・スタジオコロリドの柴山智隆監督より「次回作は“雪”をテーマにしたい」との意向を受け、2022年より米沢市観光課、米沢観光コンベンション協会、NCV、山形フィルムコミッションなどが協力しロケハンをはじめとしたサポートを開始しました。

2023年11月には、米沢アニメツーリズム誘客推進協議会が発足し、地域振興・観光振興、そして作品を全力で応援すべくさまざまな企画を実施。そんな日頃のロケ対応から、作品PRとともにシティプロモーションに寄与したことが大きく評価され、「第15回ロケーションジャパン大賞」のノミネート地域に「山形県山形市、山形県米沢市」が選出される運びとなりました。

関連リリースはこちら

8. 映画『十一人の賊軍』公開記念!「にいがたロケ地と観光地周遊キャンペーン」を開催

2024年11月1日(金)に公開となった映画『十一人の賊軍』。日本近代史最大の激戦・戊辰戦争の陰で起きた、新潟・新発田藩の歴史的な裏切り、その史実から着想を得た、脚本家・笠原和夫の幻のプロットが映画化された作品です。『仁義なき戦い』など数々の傑作を生みだした名脚本家が遺した集団抗争時代劇が、『孤狼の血』シリーズの白石和彌監督によって新たなステージへと変貌を遂げました。W主演を務める山田孝之さんと仲野太賀さんをはじめ、実力派キャストが作り上げたアクションシーンが見逃せません。

そんな映画の一部シーンは新発田市を中心とした新潟県内で撮影されました。この撮影でロケ地となった場所をめぐるスタンプラリーが映画公開に合わせて実施。新潟県内に点在する11カ所のロケ地と観光施設に設置されている専用スタンプを押印し応募すると、抽選で月岡温泉の宿泊券、新潟のお土産セット、映画オリジナルグッズセットが当たる「にいがたロケ地と観光地周遊キャンペーン」となっています。

関連リリースはこちら

映画、アニメ、ドラマなど「聖地巡礼」施策8事例まとめ

ロケ地となる地域自体がそれを契機に誘客しようと制作段階から積極的に関わっていることが見えてきます。

そこから地域の魅力や特性を活かして、どう認知拡大や誘客へのアプローチをするのか。確実な正解がない中で、それぞれが工夫を凝らした施策を展開していることが読み解ける事例集となりました。

その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る