伝統と現代の融合で紡ぐホメロスの伝説、2024秋冬広告キャンペーン「エトロアクト」
「ETRO(エトロ)」は、ホメロスの伝説が醸し出す雰囲気にインスパイアされた「エトロアクト」2024秋冬広告キャンペーンを発表しました。
「さあ、真実を話してくれ。これまでどこをさまよい、どの国を旅したのか? その地の人々について私たちに教えてくれ…」—ホメロス『オデュッセイア』第8巻
地図なき旅 – エトロが紡ぐホメロスの伝説として発表された「エトロアクト」は、その名の通り物語性を感じさせるキービジュアルが印象的です。2024年2月24日にミラノで発表された2024秋冬コレクション。当日のウィメンズ&メンズ合同ランウェイショーでは、古代の劇場舞台を思わせる巨大なマスクが、ランウェイの中央に並びました。
今回のコレクションの着想にあったのは、ギリシャの吟遊詩人ホメロス作とされる英雄叙事詩『オデュッセイア』。オデュッセウスがトロイア戦争に勝利した後、故郷イタカへの帰還を目指す壮大な旅を描いています。
ショーにおいても、そこから導かれた「エトロアクト」の世界観がしっかりと体現されました。ウィメンズ&メンズの要素の混じり合い、さまざまな異素材の織りなす儚さと強さ、伝統と革新の交錯する融合の世界。
ビジュアルは、クリエイティブ・ディレクターであるマルコ・デ・ヴィンチェンツォの故郷、シチリア・メッシーナ海峡の優美かつ荘厳な風景を背景にしています。また、一連のタブロー・ヴィヴァン(生きた絵画)を展開し、古代ギリシャ劇場の伝統を彷彿とさせる仕上がりとなっています。
現実と幻想の狭間にある夢のような世界で、エトロのさすらいのナビゲーターたちは、島の最北東端に位置する漁村、カポ・ペロロの小さな港に漂着するボートに乗って現れます。
防波堤、澄んだ水、岩石層に囲まれた未知の土地に迷い込んだ彼らは、「発見とは地図のない旅であり、偶然が決定的な出会いを導く」という、デ・ヴィンチェンツォの言葉を思い出します。
エトロの時代を超えたエレガンスは、美がアートを包み込み、古きものが常に新たな形で生まれ変わる、現代の神話のページを書き綴ります。この幻想的で魅惑的な舞台では、未知の世界を探し求める心が、流れるようなライン、身体を包み込むニット、きらめく箔やジャカード織の模様、ペイズリーのデザインが施されたしっかりとした生地など、豊かな色彩とコントラストに満ちた美の光景に反映されています。
シンプルに有名な叙事詩から着想を得たというだけではなく、クリエイティブ・ディレクターであるマルコ・デ・ヴィンチェンツォのルーツであるギリシャという背景があり、さまざまな要素を融合させながら現代版へと昇華させているデザインと世界観が圧巻な「エトロアクト」。
守るべき伝統と、挑むべき革新のバランスの良さを発揮したエトロの新コレクションは、ブランドが見据えるこの先の未来を見事に表現していて、目にしたものを惹きつける力強さがありました。
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