「御社の商品、鋭くディスります。」米広告代理店の奇想天外なサービス
Case: Brand Roast
アメリカの広告代理店・Humanautが行った、奇想天外なB2Bサービスをご紹介。
その内容は、「風刺のプロ」であるNYのスタンダップ・コメディアンたちが、依頼のあったクライアントの商品を鋭くディスるというもの。名付けて「Brand Roast(ブランドお焚き上げ)」。
「私たちの秘密兵器は『正直さ』と考えます。いまや伝統的なブランドほど、自身のブランディングについて反省をすることがないのではないでしょうか。」
「その点、スタンダップコメディアンたちは残酷なまでに正直者であり、自虐の達人です。」
『ヴィン・ディーゼル(アメリカのアクション俳優)が病気になったらヴィン・ディーゼル(の作品)を観るようなヤツに興味あるか?』
「しかし、彼らの活躍の場であったコメディハウスは、コロナの影響で次々と閉鎖を余儀なくされています。こういうときにこそ、彼らの才能を活かせる場所はないかと私たちは考えました。」
「有名なブランドはみんな、大なり小なり問題点を抱えているものです。」
「このサービスは、そんな御社のブランドに“スポットライト”を当てます。」
「卓越したワードセンスを持つスタンダップ・コメディアンたちが御社のブランドをフルボッコでけなし、凝り固まったブランドイメージをぶっ壊すのです。」
小型のゴミ袋を手に……
『使い終わった象のコンドームみたいな見た目』
植物100%の代用肉を手に……
『民主党支持者(=左派の人)がケンカ売りたい相手のバーベキューに持っていくシロモノ』
ウエハースにクリームを詰めたスナック菓子を手に……
『できそこないのシュトルーデル(北欧の伝統菓子)にカワイイ名前付けてごまかしました、的な』
家族のイラストが書かれた牛乳パックを手に……
『甲斐性なしは飲むな、ってか?』
「サービスの利用料金は15,000ドル。同じ金額をムダなマーケティングに投入するくらいだったら、“率直な声”を聞きませんか?」
「プロの毒舌は、きっと御社に大きな発見をもたらしてくれることでしょう」
容赦ない毒舌に、思わずこっちがヒヤヒヤしてしまいそう。しかし、「みんなが思っているけれども言わないことを、ズバッと言ってのける」コメディアンだからこそ、真理をついた“批評”として成立するというわけです。
コロナによってスタンダップ・コメディアンたちに生まれた“ヒマ”を有効活用し、さらにマーケティングの概念を根底から覆してしまおうという、なんとも野心的で画期的なサービスでした。
(via Ads of the World)
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