デリバリー時の「どれにしよう…」に着目。バドワイザーが仕掛けた“注文スロットマシン”

Case: BUD-Meal Slot Machine

世界的なビールブランド・バドワイザーが中国で行ったユニークなDM施策をご紹介。
新型コロナの影響によって大幅に増大した宅配デリバリー市場に乗るべく、「バドワイザーとのセットメニューを選ぶためのスロットマシン」を開発したのです。

ロックダウンなどの影響もあり、中国でも自宅でデリバリーの食事を楽しむ人が急増。

これにともない、宅配デリバリーサービスの売上も大幅に成長しました。

しかしこのなかで、「ビールを一緒に注文する」という人の割合は、全体のわずか0.3%にとどまっていました。

「何を食べようか迷う人が多い」ことに着目

調査をすすめていくと、ある側面も明らかになってきました。多くの人々はデリバリーを注文するさい、「メニューをどれにしようか迷っている」ことが多かったのです。
これに着目したバドワイザーは、あるユニークなアイデアを思いつきます。

それは、「デリバリーするメニューを決めるためのスロットマシン」

スロットの絵柄に描かれているのは、バドワイザーとセットになったメニューの写真。食べたいものに迷ったらとりあえずスロットを回し、出た目のメニューを注文してもらおう、と考えたのです。

この「メシ決めスロット」、まずはスマートフォンのアプリとしてリリース。その後、OOH施策として、人々が集まるスーパーマーケットにも「リアルなスロットマシン」を設置しました。


人々の潜在的な欲求にばっちりと刺さったこの施策は、たちまちSNS上で大きな話題に。

じつに100万人以上の人々がこのスロットマシンを利用し、開始からわずか3日にしておよそ14万セットの「バドワイザー付きメニュー」が注文されました。

インプレッション総数は、およそ2億3000万。エンゲージメントも43万以上に。


トータルで、29万人以上の人々がこの施策を通じて「バドワイザー付きメニュー」を楽しんだのです。

「お腹が空いたー!」とデリバリーを思い立っても、いざメニューを前に思案してしまう… という経験、みなさんも1度は覚えがあるのではないでしょうか。
ささやかだけれども誰にでもある、ふとした注文時の行動に着目し、さらにスロットマシンという「ついつい繰り返し押したくなってしまう」デザインを取り入れることで、消費者にとって違和感のない購入経路を作り出すという、秀逸なアイデアの施策でした。

(via Ads of the World)

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