自分が“最初の読者”かも。スウェーデンの出版社が行った刺激的な新刊キャンペーン

Case: The book safe ad

スウェーデンの出版社・Lava publishersが行った、印象的なプロモーション施策をご紹介。
同国の政治の内幕を追求した本「Den Sakkunnige」を全文を無料で読めるコードを入れたカギ付きの金庫を、議会の建物の前に設置したのです。

設置されたボードには「この金庫には、権力者が読まれたくない、スウェーデンの政治の内幕を書いた本が収められています」という文言が。
ボードにはダイヤル式の小さな金庫が埋め込まれており、その横には「コードを解いてください:(ヒントは)IHF。金庫を開くと、本の中身を無料で読めるコードが入手できます」と書かれています。

暗号の意味がわかった人は、金庫のダイヤルを回して解錠でき、中に収められた本の内容を無料で見られる仕組みになっています。
本に書かれたテーマと親和性の高い人々「だけ」が知っているキーワードを設定し、もっとも本の情報を届けたい人々にその内容を伝え、その価値を広めてもらおうという作戦なのです。

本の価値を正しく理解でき、さらに熱量高く拡散してくれる人に向けている点も秀逸ですが、さらに「ロックを解除する」という能動的な仕掛けを施すことによって、金庫を開けた人が「自分は最初の読者なのではないか」と感じ、「この情報を世に放たなければ」いう使命を感じるようになっているのです。

接した人に「自分だけが知ってしまった」という強い共感を掻き立てる、なんとも巧妙で刺激的なプロモーションでした。

(via Ads of the World)

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