「カメラのフラッシュで“深層”を照らせ」国連機関の衝撃的な屋外展示企画
Case: Light It Up
国連の移民問題対策機関「International Organization for Migration」がウクライナで行った啓蒙展示企画をご紹介。
特殊な仕掛けを施した「ブラックボックス」を広場に置き、スマートフォンでフラッシュ撮影すると“ある光景”が浮かび上がるようにしたのです。
Light it up. Case study from ANGRY on Vimeo.
ウクライナの大きなお祭り「キエフ・ライト・フェスティバル」の会場に置かれた、謎のブラックボックス。側面には「スマートフォンでのフラッシュ撮影自由」との文字が書かれています。
人々がスマホを片手に中を覗き込むと…
中には物乞いをする少女の像が。これだけでも痛々しい光景です。
しかし、この像をフラッシュ撮影すると、さらに深刻な光景が姿を現します。真っ暗闇のなか、少女をマリオネットのようなもので引っ張る黒い影── 子どもたちの背後に、彼ら彼女らを本人の意思とは関係なく“操る”ものの存在があることを示唆しています。
表層だけを見ていてはたどり着くことのできない“深層”をスマートフォンでの撮影というカジュアルな手段によって文字通り「浮かび上がらせ」、訪れた人の記憶とスマートフォンの写真に焼き付けるのです。3日間の期間中、この展示を通じて「浮かび上がった」5,647枚の写真がSNSを通じてシェアされました。
中を覗いてみたい、せっかくだから「記念撮影したい」という好奇心を巧みに利用し、深刻な現実を真正面から伝えた、シンプルながらも衝撃的な企画でした。
(via Angry)
4