「不自然なのは法律のほうだ!」仏スーパーマーケットが“違法”なスーパーを開店
Case: Black Supermarket
フランスの大手スーパーマーケット・Carrefourが仕掛けたソーシャルキャンペーンをご紹介。
農家が出荷する野菜のサイズが法律で厳格に定められており、規格のサイズに収めるために農薬などが使用されている「不自然な現状」に対抗するため、規格外サイズに育った野菜たちのみを販売する「ブラック(違法)スーパーマーケット」をスーパー店内の一角にオープン。「不自然なのは法律のほうだ!」と、改正を呼びかけました。
店内に設けられた「ブラックスーパーマーケット」。扱っているのは少し形がいびつな普通の野菜なのですが、「法律的には違法なもの」というイメージを強調し、まるでドラッグや武器を売るかのようなブラックな雰囲気をまとっています。
野菜を育てた農家の人々も、まるで闇社会の人間であるかのような雰囲気でポスターに登場します。
「違法バターナッツかぼちゃを生み出したゴッドファーザー」
「この“違法トマト”を食べれば、あなたも法律の不自然さを感じられるはず」
もちろん、実際に食べてみれば、それが大切につくられた安心な野菜であることは一目瞭然。消費者に実際に手にとってもらい、「自然な野菜のサイズを規制する法律のほうがおかしい!」と思ってもらうことがこのキャンペーン最大の目的です。
消費者からもクレームの声はいっさいなく、むしろ「よくやった!」という声が多く届いたそうです。
この刺激的なキャンペーンは国内外のメディアでも大きく取り上げられ、影響を見逃せなくなった政府はついに法律の改正を発表しました。
法律に沿わないものはすべて悪なのか。その法律自体を私たちは疑うべきではないか── 漫然と考えがちな“常識”に一石を投じた啓発キャンペーンでした。
(via Black Supermarket)
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