コスモポリタン誌が表紙に起用 『名誉殺人』から女性を救う啓発キャンペーン
Case: Honor Killing
2004年、当時17歳だったパキスタン系イギリス人のShafilea Ahmedさんが、実の両親によって殺害されるという痛ましい事件が起きました。親の定めた結婚をShafileaさんが拒否したことに父親が腹を立て、兄弟が見ている前で娘をビニール袋を使って窒息死させたというのです。
日本では到底考えられない話ですが、イスラム圏をはじめとした保守的な地域では、女性が(婚前交渉など)家名を汚すようなことをした場合、一族の名誉を守るために家族が女性を殺害するという風習、いわゆる『名誉殺人』が今もなお行われています。
女性の人権を著しく侵害するこの悪しき習わしに対し、イギリスの慈善団体・Karma Nirvanaは、世界100ヶ国以上で発刊されている女性向けファッション雑誌「Cosmopolitan」に協力を仰ぎ、同誌2月号の表紙を用いて抗議の意を込めたキャンペーンを行いました。
表紙には悲しげな表情をした女性の顔写真が写されています。雑誌全体がビニールのカバーで覆われているのは、Shafileaさんの悲惨な事件を思い出させるため。
ビニールを破ることは『差別と暴力に苦しむ女性たちを救う』ことを意味し、この問題について社会全体の力で取り組んでいこう、というメッセージを発信しているのです。
Karma Nirvanaでは、Shafileaさんの誕生日である7月14日を「Day of Memory for Britain’s Lost Women(名誉殺人による犠牲者への哀悼の意を表する日)」とし、女性であるがゆえに差別と暴力に苦しめられるという現実を変えていくことを目指して、今後も活動を続けていくといいます。
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参考サイト
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